プーチン大統領を震撼させた「北極圏のガス施設」“空爆”…進化するウクライナのドローン攻撃に「厳冬期は停戦状態」というロシア軍の常識が崩壊か

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 ロシアでは9月18日から20日まで、連邦議会下院にあたる「国家院」の選挙が行われた。結果はプーチン大統領を支持する与党「統一ロシア」の圧勝に終わったが、独立系メディアを中心に大規模な不正投票の詳細な実態が報道され始めている。そもそも選挙前から与党の勝利は“既定路線”と受け止められていた。例えばロシアのリベラル政党・ヤブロコはウクライナ戦争に反対し、停戦と和平の実施を公約に掲げていたが、政府は露骨な“弾圧”を行った。(前後編の前編)

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 8月19日、連邦最高裁はヤブロコの比例代表候補者名簿の登録を取り消す判決を下した。堂々と野党を潰して恥じないプーチン大統領の強硬姿勢に、日本でもネット上で「文字通りの独裁制」、「民主主義の完全否定」と批判が相次いだ。

 やりたい放題のプーチン大統領、その“威信”を失墜させようと、ウクライナは投票期間中である9月19日の夜から20日の朝にかけて大規模なドローン攻撃を行った。軍事ジャーナリストが言う。

「あくまでもロシア側の発表だとはいえ、モスクワには450機、ロシア全土では1600機を超えるドローンが攻撃を仕掛けたとのことです。大規模な攻撃だったと見て間違いないでしょう。ロシア国民を精神的に揺さぶり、厭戦気分を蔓延させることを狙った作戦ですが、私が注目したいのはモスクワ製油所の被害です。実は、この製油所は5月から6月までの間、少なくとも3回の攻撃で被害が出ています。4回目となった今回はロイターの報道によると主要装置で甚大な火災が発生しており、原油処理を停止しました。つまりウクライナは製油所の復旧状況を確認しており、『直ったら攻撃する』を繰り返しているのです。これはプーチン大統領にとって頭の痛い問題であるのは言うまでもありません」

天然ガス関連施設空爆の衝撃

 9月9日にはウクライナのドローンが何と3200キロの長距離飛行を敢行。北西シベリア地帯のヤマロ・ネネツ自治管区にあるガス処理施設を攻撃して被害を与えた。ヤマロ・ネネツ自治管区は北極海に面しており、管区の半分以上が北緯66度33分以北の北極圏に位置している。

 ドローンの攻撃目標の一つにノヴィ・ウレンゴイという都市があり、ここは「ガスの首都」とも呼ばれる。1966年にガス田が発見され、ロシアのエネルギー企業・ガスプロムのガス処理工場が稼働している。

「東京・マニラ間は2900キロですから、どれほどの長距離を飛行したか簡単に理解できるでしょう。目標が遠い極寒の地であっても、ウクライナは攻撃が可能であるという事実を明確に示しました。しかもロシア国内で冬の暖房は電気や軽油ではなく、ガスを使ったセントラルヒーティングが一般的です。間もなくロシアに冬が訪れます。ウクライナはロシアの“暖房ライフライン”にダメージを与えることで、ロシア国民の動揺を狙っていると考えられます。ウクライナから遠いため“絶対安全圏”と考えられていた北極圏が空爆されたインパクトは非常に大きく、ロシア軍とプーチン大統領を震撼させたはずです」(同・軍事ジャーナリスト)

 またノヴィ・ウレンゴイに対するドローン攻撃では、「ガス・コンデンセート処理施設」の被害も注目を集めた。

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