高血圧の人が居酒屋で「まず頼むべき三品」とは? 数値改善に「最強の食材」も紹介
枝豆は優秀なつまみ
それでも、塩気がないと物足りないという方に試してほしいのが「食感を変える」という方法です。肉をカリカリになるまでよく焼くと、塩や醤油がなくても十分においしく食べられます。素材の風味が際立ってくる。この方法で調味料をほぼ使わなくなった患者さんが何人もいます。
お酒の席では、アルコールを分解する際に血管が収縮して血圧が上がります。酒のつまみはしょっぱいものが多く、カリウムの補給もおろそかになりがちです。バナナを食べながら酒を飲む人はいませんから、悪条件が重なるわけです。居酒屋ではまず枝豆、冷奴、焼き鳥の三品を注文するようにしましょう。枝豆は1皿でカリウムが約300ミリグラム取れる優秀なつまみです。また、冷奴も豆腐のカリウムが効きます。焼き鳥はタレ・塩をつけず七味やこしょうで食べる。この三品を最初に頼むだけでナトカリ比はかなり改善します。
締めのラーメンはお勧めしません。せっかく食事に配慮したのに、最後にナトカリ比を悪化させてしまうからです。食べてしまったときは、前述のように食後にホウレンソウか豆腐を取り、寝る前に無塩のトマトジュースを1杯飲む。これだけで翌朝の血圧が変わってきます。
私が患者さんを指導するときは必ず1日分の尿を全部ためてもらい、塩分とカリウムの量を正確に調べる。これが自分のナトカリ比を知る最も確実な方法であり、変わるための第一歩です。高血圧の薬を何種類も飲んでいるのに下がらない患者さんを調べると、1日20グラム以上の塩分を取っていることが珍しくありません。
薬は飲みたくない、というのが患者さんの本音です。
だから私は、減塩とその摂取方法を徹底的に指導しながら、「それでも下がらなければ薬を出します」と伝えます。後ろに薬という選択肢が待ち構えていることで、患者さんは頑張れるのです。
別の原因が隠れている場合も
ただ、血圧が高い背景にはナトカリ比以外の問題が潜んでいることもあります。薬を何種類も飲んでいるのに血圧が200から下がらない患者さんがいました。詳しく調べると、副腎のホルモン異常が原因でした。アルドステロンというホルモンが高値になると、体内に塩分をため込み、カリウムを排出してしまう。食事指導をいくら徹底してもナトカリ比が改善しない場合は、こうした原因が隠れていることがあります。ホルモンを抑える薬に切り替えたところ、血圧はようやく安定するようになりました。
「今さら遅い」と思っている方がいたら、はっきり言います。遅くはありません。ナトカリ比を意識することは、食生活全体を見直すきっかけにもなります。
試しに1週間、徹底的にやってみてください。血圧はぐっと下がります。







