高血圧の人が居酒屋で「まず頼むべき三品」とは? 数値改善に「最強の食材」も紹介

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 塩分が体に良くないのは百も承知。でも減塩食は味気なくて――。誰もが突き当たる減塩の難しさだが、無理に塩分(ナトリウム)を減らさずとも、その分カリウムを取れば問題は解決。ナトカリ比による“簡単高血圧対策”とは。【渡辺尚彦/高血圧専門医】

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 20年間、減塩を真面目に続けていたのに、血圧が200台で受診する。薬を増やしても追いつかない。外来で高血圧の患者さんを診ていると、こういうケースは決して珍しくありません。なぜそうなるのか。私が40年にわたる診療の中で行き着いた答えが、「ナトカリ比コントロール」というものです。

〈渡辺尚彦医師(74)は世界でただ一人とされる「39年以上にわたる24時間血圧測定」を続けている。腕には常に血圧計を装着したままだ。始めたのは1987年の富士登山のときだった。登山時の血圧変化を調べようと携帯型血圧計を装着したのが始まりで、1カ月の予定が「再現性を見るために」と2カ月、3カ月、半年と延び、39年が経過した。この膨大な臨床データを基に、長年高血圧に悩む患者を診察する中で見つけたのが、塩分の量だけを見ていては見えてこない、もう一つの指標、カリウムとの比率だった。そこから導き出されたのが「ナトカリ比コントロール」である。〉

 ナトカリ比とは、尿中に排出されるナトリウムとカリウムの比率のことです。簡単に言えば、塩分(ナトリウム)をどれだけ取り、それを排出してくれるミネラル(カリウム)をどれだけ取っているかの割合です。

 塩分が血圧を上げることはよく知られています。体内に塩分が増えると、血液中の濃度を薄めようとして水分が引き込まれ、血液量が増え、血管への圧力が高まる。これが高血圧のメカニズムの一つです。

カリウムが塩分を追い出す

 一方、カリウムには、余分な塩分を体の外へ追い出す働きがあります。取ると、積極的に腎臓が働き尿として排泄するのです。さらに血管を広げる作用もある。つまりカリウムを取ることで、排出と血管拡張という二重の降圧効果が得られるわけです。

 だから問題は、塩分の量だけではありません。塩分とカリウムのバランス。これがナトカリ比です。どれだけ塩分を取っても、カリウムで排出できていれば血圧への影響は抑えられる。逆にカリウムが少なければ、塩分がそこそこの量でも血圧は上がりやすくなるのです。

 例えば1日の尿中に塩分が4000ミリグラム、カリウムが1000ミリグラム排出されていれば、ナトカリ比=尿中ナトリウム量÷尿中カリウム量ですので、ナトカリ比は4です。この数値が小さいほど、両者をバランスよく取れているということになります。理想は2未満ですが、かなりハードルが高い。現実的には4を切ればまずまずというところです。

 日本人の平均はおおむね4から5程度とされており、多くの方がカリウム不足の状態にあります。私の外来でカリウムを意識した食生活を根気よく続けた患者さんは、初回測定でナトカリ比3.8だったのが最終的に0.8まで改善し、収縮期血圧も120ミリHg台で安定するようになりました。

 勘違いしてはいけないのが「減塩はしなくていい」わけではないことです。減塩は大切です。ただ、減塩だけを指導していた時代、私はある問題に気付きました。塩分を減らせば確かに血圧は下がる。しかし「こんな味の薄い食事は嫌だ」となって、長続きしないのです。厚労省が推奨する塩分量を守ろうと頑張っても、薄味に耐えられず挫折してしまいます。これでは意味がありません。

 そこで発想を変えました。減塩を諦めろということではありません。減塩した上で、さらにカリウムを取ることにより、無理をしなくても結果が出やすくなる。

 これがナトカリ比コントロールです。塩分を頑張って減らせなかった日があっても、カリウムでカバーできる。これなら挫折せずに続けられます。真面目に塩分を控えてきたのに血圧が下がらなかった患者さんが、カリウムを意識するようになった途端に数値が改善するケースを、私は何度も見てきました。

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