「海外では合法だし、健康にいいんでしょ?」 日本の若者を“マリファナ漬け”にする外国人密売人の急増…アメリカ人女性2人が“乾燥大麻30キロ”密輸容疑で逮捕も

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暴力団は大麻から“フェードアウト”

 その全員が、大麻やマリファナの使用が「日常的」で「当たり前」という生活習慣を持った者だとは言わない。

 だが日本に来た外国人から「マリファナが欲しい」「マリファナパーティーをしたい」と気安く相談され、旅行ツアーガイドや通訳担当、他にも友人の大学生や会社の同僚といった周囲の日本人が困り果てるケースが増えているのも事実である。

 そして、こういった外国人たちのことを「客」として、彼ら相手に大麻を売る在留外国人の密売人も増えた。

 彼らは、外国人客に対してだけでなく、暴力団がフェードアウトしている大麻の密売市場での暴利を目指して、若い日本人客にも積極的に大麻やマリファナの密売を繰り返している。

 令和6年9月には、スペイン国籍の男が、二重底に改造したスーツケースの中に大麻約16キロ(末端価格8000万円相当)を隠し、密輸しようとして成田空港で逮捕された。これは過去20年間で2番目に多い摘発量であった。

 その後の今年9月には大きく上回り、アメリカ国籍の女性2人が乾燥大麻約30キロを密輸しようとして逮捕された。

 他にも、外国人留学生や外国人ビジネスマンが、国際郵便で大麻を日本国内に密輸して逮捕される事例が急増している。

「違法だとしても日常的で当たり前だ」

 大麻の密売価格は、覚醒剤よりも安価だとはいえ、日本国内では海外相場の約10倍で売り払うことができるので、外国人の密売人たちにとって日本市場はまさにゴールドラッシュの様相を呈している。このことも現在の日本の若者層に大麻乱用が広まっている大きな要因であると言える。

 日本にいる外国人は、法律や生活習慣について「自分の国の常識で考えてしまう」という癖がどうしてもあるのが普通だ。

「ドイツではもう合法なんだから日本でも大丈夫だろう」「ヨーロッパでは簡単にマリファナが買えるので日本でも同じように買えるだろう」「アメリカでも州によっては罰則がないから」「違法だとしても日常的で当たり前だ」……。

 と日本の法的事実を参照せず、無意識のうちに自国基準で物事を見てしまう在留外国人も多い。

 一人ひとりにこの感覚が根強くある以上、日本国内で大麻やマリファナを密売する外国人たちが日本の法改正について深く考えることはない。彼らは、自国基準で「とても安易に大麻やマリファナを密売する」ことに疑問すら感じないだろう。

 そして、同じように法認識が低い日本の若者たちが「小さな遊び感覚」で大麻やマリファナを買い付けて乱用する。

カオスに突入する裏社会

 某暴力団幹部は、

「日本の法律の元締めが日本政府なら、日本の違法行為の元締めは昔からヤクザでしたよ。毒を以て毒を制すって言うでしょ。それでバランスが保たれてきたんでしょうけど、この仕組みが崩れると大麻みたいに外国人や若い連中がルールもクソもなくやりまくって収集がつかなくなりますよ。いくら法改正を繰り返して厳しくしていったところで、法律を知らない奴やそもそも法律に興味がない奴は必ず好き勝手にやりますからね。そういう連中を取り締まるのは法律じゃ限界があるんじゃないですかね。それで困るのは誰なんですかね?」

 と話す。

 大麻の乱用が広まる現在の日本は、SNSの誤った使い方を示しているだけでなく、私たちにとって「欠けているもの」を少しずつ浮き彫りにしているのかもしれない。

 今年7月、宮城県仙台市内の中学3年生の男子が、自宅に乾燥大麻約1・263グラムと使用器具を隠し持っていたことで逮捕された。全国の教育機関や法曹界にも大きな衝撃を与えたのは言うまでもない。

 前編【日本の10代・20代に“大麻が蔓延”も、ヤクザが密売から手を引いた理由…「厳罰化されて割に合わない」「SNSを使えばどっからでも簡単に手に入りますからねぇ」】では、なぜ日本の10代・20代で大麻が蔓延したのか、SNSとヤクザの意外な関係について詳細に報じている──。

藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌等で、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。著書に『山口組対山口組』、『M資金 欲望の地下資産』、『山口組東京進出第一号 「西」からひとりで来た男』、『闇バイトの歴史 「名前のない犯罪」の系譜』(以上、太田出版)など。

デイリー新潮編集部

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