所属モデル全員が整形、卒アルまで修正…Netflix1位「ダウンタイム」が描く美容整形外科業界の“裏側”
整形のリアル
Netflixが9月17日から配信しているドラマ「ダウンタイム」(全8回)が、再生ランキングでトップを走り続けている。なぜ支持されているのか。ヒットの理由を解剖する。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】
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「ダウンタイム」が描いているのは、美容整形外科業界の裏側に潜む人間ドラマだ。医師や患者、その家族らの葛藤や苦悩に肉迫している。そこに軽妙なユーモアと切実な哀話が織り込まれているから、観る側を惹き付ける。
圧倒的なリアリズムも磁力になっている。フェイスリフト手術(顔面内部の筋膜を引き上げ、皮膚のたるみやシワを改善する)などが生々しく再現されており、目を奪われる。
細木数子さんの生涯をモチーフとする、同じNetflixの「地獄に堕ちるわよ」(4月下旬配信)も、現実味と臨場感によって観る側を引き寄せた。このドラマも同様である。地上波と違って、表現の制約が少ない配信ドラマの強みが、存分に生かされている。
脚本も緻密に組み上げられている。松岡茉優(31)が演じる主人公・沼田文は、形成外科医。葛飾医大病院に勤務している。腕は一流だが、患者とのコミュニケーション能力や組織への順応性に欠けている。
文は姉御肌で豪気だが、情けに厚い。サバサバしていて自分を飾らない。観る側から共鳴を得やすい主人公だ。中性的な面もある松岡の持ち味が最大限に生かされている。
ある夜、葛飾医大病院に若い女性が青息吐息で救急搬送されてきた。人気モデルの國分佳奈(景井ひな)だった。文は、佳奈が胸を豊かに見せるために入れていたシリコンバッグが悪性腫瘍を圧迫していることに気づき、迷わずシリコンを除去する。しかし、佳奈は取らないでほしいと訴えていた。
佳奈は顔も整形していた。佳奈の所属するモデル事務所では、モデルが一人残らず整形していた。ファンにその事実が発覚しないよう、それぞれの卒業アルバムの修正までしていた。現実の芸能界でも整形は比較的ポピュラーな話であるものの、卒アルの工作は聞いたことがない。だが、行われているのかもしれない。
その後、佳奈は回復する。ところが、胸がしぼんでいることに気づくと、文に向かって「どうしてくれるのよ!」と怒鳴り散らす。文は呆れた。シリコンを残したら、命を失ったかもしれない。そもそも文は、病気でもない体にメスを入れる美容整形外科を嫌悪していた。
文が佳奈に対し「頭、いかれてんの!」と一喝すると、佳奈はさらに取り乱す。「死んでやる!」と絶叫した。そして、本当に自死してしまう。
佳奈のファンたちはSNS上で一斉に「沼田文が殺した」と騒ぎ、責め立てる。大炎上である。この物語は、SNSの実状の描き方も極めてリアルだ。文は豪気だから、ほとんど気にしなかった。しかし、病院は青ざめ、文に休職を命じた。ありがちな話だ。
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