親会社が「赤字173億円」で“ジャングリア沖縄”の正念場…つなぎ融資「30億円」で“資金不足リスク”は解消できるか…知られざる“半官半民”の特殊な実態

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クールジャパン機構からの80億円

 ただし、現場を取材してきた側の理解は異なる。ジャーナリストの座安あきの氏は、朝日新聞の記事に寄せたコメントで、この事業は一民間事業ではなく、菅元首相の時代から官邸主導で進められ、普天間移設の政治的文脈のなかで生かされ続けた北部振興・沖縄振興策の象徴であり、辺野古の新基地受け入れとも連動する国策案件だ、というのが取材経験から得た自身の理解だと述べている。メガバンクが融資に難色を示すなかでクールジャパン機構が刀に80億円を出したことも、その特殊性を示すという。

 これは文書で裏づけられた事実ではなく、取材にもとづく一ジャーナリストの見解だが、問われるべき論点がどこにあるかは明瞭になる。この計画が官のお墨付きを得たかどうかではない。「沖縄に大型テーマパークを」というフォーマットが、内容を吟味される前に歓迎される対象になっていたとすれば、後の審査もその空気のなかで行われたことになる。民間の事業を公的資金がどの程度支え、どのような審査を経たのかは、ある程度まで明らかにすることができるはずである。

 なお座安氏は、9月の県知事選を控えて負の材料が出にくい空気があること、知事選の結果によっては国策案件という建て付けが崩れ、追加支援の行方が左右されうることも指摘していた。その知事選は政府与党が肩入れする「古謝玄太知事」の誕生というかたちですでに終わっている。つなぎ融資の報道が知事選の後に出てきたことの意味は推して知るべしである。

 第2回【巨額赤字「ジャングリア沖縄」の苦境…改めて問われる「クールジャパン機構」はなぜ「刀」に80億円出資したのか】では“失速”の背景についてさらに詳報している。

篠原 章(しのはらあきら)
批評家。1956年山梨県生まれ。経済学博士(成城大学)。大学教員を経て評論活動に入る。主なフィールドは音楽文化、沖縄、社会経済一般で、著書に『日本ロック雑誌クロニクル』、『沖縄の不都合な真実』(大久保潤との共著)、『外連の島・沖縄』などがある。

デイリー新潮編集部

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