親会社が「赤字173億円」で“ジャングリア沖縄”の正念場…つなぎ融資「30億円」で“資金不足リスク”は解消できるか…知られざる“半官半民”の特殊な実態
来場者数「年間100万人」が隠すもの
来場者数は、25年7月の開業から約1年間で、併設のスパを含め延べ約100万人。当初想定の150万人を下回った。ここまではよく報じられている。
だが、途中経過の数字と突き合わせると、別の事態が見えてくる。JEによれば、開業から26年1月までの半年間の来場者数は、スパのみの客を含めて65万人だった。年間の約100万人から差し引くと、後半の半年はおよそ35万人である。1日平均にすると、前半が約3500人、後半が約1900人。半期の比較で4割以上減ったことになる。
経済波及効果の推計も同じ動きを示す。りゅうぎん総合研究所は開業半年の経済効果を322億円、1年間では494億円と発表した。差し引き、後半の半年は172億円である。こちらも半期で約47%の減少となる。二つの数字がほぼ同じ率で減っているのは、波及効果の推計が来場者数にほぼ比例する仕組みだからだろうが、いずれにせよ方向は同じである。
この分析には留保が要る。前半には開業直後の話題性と夏休みがそのまま入っており、季節の影響は小さくない。半年の区切りと年間の区切りも、厳密に同じ長さではない。だが見落とせないのは、後半に4月開業の新アトラクション「やんばるトルネード」とゴールデンウィークが含まれているという点である。てこ入れを行った半期のほうが落ちていると観察できるのである。
客の不足が損失の何割を生んだのか、何人来れば黒字になるのかは、売上と費用の内訳がなければ分からない。それでも、「1年で100万人」「経済効果494億円」という発表の数字が、後半の落ち込みを平均のなかに溶かしこんでいることは指摘しておかねばならない。
この事業には、公的な資金が複数の経路で入っている。政府が全額出資する沖縄振興開発金融公庫が出資と融資の両方を行い、官民ファンドが主導企業に出資した。本稿が「半官半民」と呼ぶのはその意味であって、政府が株式の半分を持つという話ではない。以下、順に見ていく。
[2/4ページ]

