NHKの本気をみた…「未解決事件」にSNSで賞賛の声 死刑執行された「飯塚事件」の核心

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証拠に不審点

 弁護団はこのネガフィルムの検証をDNA鑑定のエキスパートである筑波大・本田克也名誉教授に要請した。その結果、久間元死刑囚のDNAは、犯人のものとは一致しなかったという。

 番組の取材に対し本田氏は「鑑定人は(犯人と久間元死刑囚のDNAが)違うことが分かってますよ。(ネガフィルムが切られていたのは)出したくないものを切った」と語った。

 本田氏は足利事件で菅家さんを無罪に導くDNA鑑定を行い、「袴田事件」(1966年)でも袴田巌さん(90)の再審開始決定につながる鑑定を行った人である。

 DNA鑑定を長く手掛けてきた元徳島県警の藤田義彦氏は番組側から飯塚事件のネガフィルムを見せられると、「うわぁ、これは大きいわ……」と唸った。続けて「私なら(久間元死刑囚の)逮捕はやめてくださいと言えると思う」と語った。

 なぜ番組は、北関東連続幼女誘拐・殺人事件をテーマにしながら、飯塚事件にも大きく踏み込んだのか。どちらの事件もMCT118法が決め手になったとはいえ、飯塚事件を扱わずに済ませることもできたはずだ。

 死刑執行済みの事件への疑問を呈したのだから、警察や検察などとの摩擦が生じる可能性も否定できない。それでも飯塚事件を避けたら、正義に著しく反すると考えたからではないか。

 番組は足利事件と飯塚事件の鑑定を行った科警研技官の取材を試みた。しかし全員が取材拒否だった。代わりに國松孝次・元警察庁長官(89)が口を開いた。

 国松氏は1995年の長官時代に狙撃されたことで知られるが、同庁刑事局長時代にMCT118法の導入にゴーサインを出した人でもある。当時のことを率直に語ったものの、その内容は驚くべきものだった。

「完璧無比だとは誰も思ってなかった。だんだん精度が上がっていくんじゃないかと思っていた。ガイドラインもなかった」(国松氏)

 その程度の証拠によって、菅家さんは一度、無期懲役になり、久間元死刑囚は死んでいったのか。

 ただし国松氏は、取材班から「導入が時期尚早だったのではないか?」と問われると、「そんなことは思ってません」と強く否定した。さらに「犯人のDNAが割り出せればいいと考えていたわけじゃない」と付け加えた。

 完璧ではないMCT118法が捜査現場や司法機関で盲信されてしまったのではないか。番組の調べによると、同法の鑑定で有罪となった人が菅家さん、久間元死刑囚のほかにも6人いる。

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