「作業着が白い」という理由で退職するケースも… “セクハラ”や“更衣室の有無”だけではない女性作業員が直面するブルーカラーの「昭和すぎる職場環境」

  • ブックマーク

根性論がもたらした「人手不足」

 現場や世間が忘れがちなのは、「そもそも男性労働者ならば過酷な労働を強いてもいい、というわけではない」という視点だ。

「汗水の量こそ仕事をした証し」
「我慢は美徳」
「機械を使うのはサボり」

 こうした根性論を言い続けてきた結果、ブルーカラーは女性どころか若者にすら選ばれなくなってしまった。

 女性が働きやすい環境は、男性にも働きやすい環境になるはずだ。実際、「女性の働きやすい労働環境にしたら、現場のベテラン男性職人の多くが抱えていた腰痛が解消された」という話もある。

 なかには女性や外国人労働者の理解を深めるべく、全員参加型のダイバーシティ研修を積極的におこなっているブルーカラー企業もある。そこで働いている労働者の表情は皆、抑圧された現場の労働者のそれとは明らかに違う。

 女性の労働環境の改善はもちろん、業界の人手不足の解消には、「はたらく人を選ばない労働環境」が必要になる。そのためにも、現場には「昭和」からの脱却が何より求められているのではないだろうか。

橋本愛喜(はしもと・あいき)
フリーライター。元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許を取得後、トラックで200社以上のモノづくりの現場を訪問。ブルーカラーの労働問題、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆中。各メディア出演や全国での講演活動も行う。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)、『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』(KADOKAWA)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。