「作業着が白い」という理由で退職するケースも… “セクハラ”や“更衣室の有無”だけではない女性作業員が直面するブルーカラーの「昭和すぎる職場環境」

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昭和を引きずったままのセクハラ

 女性ブルーワーカーからの相談の中でも最も件数が多いのが「セクハラ」だ。

 その無神経ぶりはかなりのもので、これほど「口うるさい」でおなじみの女性ライターさえ、ど真ん中のセクハラを頻繁に受ける。先日、取材で知り合った既婚の経営者からはこんなメールがやってきた。

「次の人生があったなら、結婚相手として貴女に会いたい――」

 またある現場では、写真撮影の際に場所の誘導を口実に腰に手を回され、またある現場では、来賓用の胸章の位置がズレているからと体に触れられそうになる。

 逆に、男性相手には決してしないであろう辛辣な批判を、大勢の前で延々と展開する「マウントおじさん」も後を絶たない。

 現場目線で、リアルを探ろうと彼らに馴染もうと思えば思うほど、こうした言動をしてくる男性が増えるのが、何よりも心的な負担になる。

 それでも筆者は、その仕事が終われば会う必要がなくなるのでまだいいが、立場が弱く逃げ場のない女性ブルーカラーが、社内でこうしたハラスメントを日々受けているかもしれない現実を思うと、心の底から危機感を抱くのだ。

現場の女性が声を上げにくい理由

 多くの女性ブルーワーカーからの声に触れると、あることに気付かされる。

 彼女たちは、自ら進んで男性が圧倒的に多いブルーカラーの世界に踏み入れた手前、身に降りかかった理不尽に対して抗議の声を上げにくいのだ。実際、SNSには、「自分で入って来たのに文句言うのは図々しい」、「女性だけ待遇いいのはズルい」、「男性に対する逆差別だ」という女性ブルーワーカーへの批判が少なくない。

 そのため、セクハラやパワハラがあっても、相談せずに我慢してしまうのだ。

 さらに深刻なのは、こうしたマッチョイムズな男性社会に女性自身もが染まってしまっていることだ。女性ブルーカラーが集結したとある勉強会で「女性としての働きにくさ」を出し合う機会があった。そこで、現場経験最長だったベテラン女性がこう言い放った。

「働きにくさ? そんなものないですよ。女だから働きにくいと思うなら辞めた方がいい。セクハラも笑ってかわし、同調できるくらいじゃないならこの仕事は向いていない」

 こうした「大先輩ベテラン女性ブルーワーカー」による根性論のあと、若手が何を言えるのだろうか。

 筋力や体力に自信のある女性ワーカーのなかには、汗水たらすこと、男性と同等に重いものを持ち運んでいることを誇るSNS投稿もよく目にする。だが、こうした発信は、「同じようなことができなければ現場で働く資格がない」という誤ったメッセージを送ることになるだけでなく、現場の労働環境の改善を阻害する要因にもなる。

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