LINEのやり取りは“午前11時から19時”…現役ヤクザが明らかに怪しい“ロマンス詐欺”にカネを騙し取られるまで 「俺がヤクザだってことで迷惑をかけるんじゃないかと悩んでいた」
送金先はベトナム人の口座
「でも、これはもう完全にロマンス詐欺でしょ? 玲葉は中国人でしょ? 一度も会ったことがない人を共同経営者候補にしますか? 100万騙し取るのが目的でしょ?」
と知人が指摘するとAさんは、
「会ったことはないけど、もう2カ月半もやり取りしてるんだぞ! 今はリモートの時代なんだろ? ならこういう仕事の仕方もあるんじゃないか? むしろ新ブランドの立ち上げっていう儲け話をしてきてるんだぞ! 俺にとってもいいチャンスじゃないか!」
と興奮するだけだった。
100万円の送金用に玲葉が示した銀行口座は、なぜかベトナム人名義の口座だった。その理由を玲葉は、
「実はもうひとりの共同経営者がベトナム人です。だから彼女の口座に資金を送る必要があります。資金を送った後で何か問題が起きた時はすぐにお返しします。信じて下さい」
と説明した。
それを知ってAさんは、100万円を4回に分けてその口座に送金してしまった……。
「100万、絶対返ってこないですよ。ロマンス詐欺ですよ。間違いないですよ!」と知人が勝ち誇った顔で言う。Aさんは以下のように反論した。
「俺がヤクザだってことで、玲葉に迷惑をかけるんじゃないかってずっと考えてたんだ。だからまずはカネを送ろうと思ったんだよ」
100万円を送金
「先にカネを送ってこっちの誠意を見せてから、ちゃんとあなたのことを応援してます、仕事がうまくいくように本心で応援してますってのをわかってもらってから、実は、俺、ヤクザなんだよって告白しようと思ってたんだ。それでOKを貰えればデートに誘おうって。でも、玲葉が、ヤクザからのカネは受け取れないとか、共同経営者は無理だって言うんなら、諦めるしかないし、返金してくれてもいいって言おうと思ってたんだ。俺の考え方って間違ってるか?」
間違ってるもなにも、Aさんの思考の中にはロマンス詐欺かもしれないという疑いがまったく存在しない。知人の中には恐怖を感じる者もいたというが、しかし恋とはそういうものなのかもしれない。
100万円を送金したら、玲葉からお礼のLINEが届いた。Aさんが「そろそろ仙台に行こうかな」と、玲葉のことを初デートに誘うと、返事はいつも「新しいビジネスの準備で忙しい」の一点張りだった。さらに追加資金の要求も届いた。
「典型的なロマンス詐欺じゃないですか? どうするんですか?」と知人がAさんに詰め寄ると、Aさんは「これって中国人のパターンかな? トクリュウ??」と漸く勘繰るようになった。そして、少しずつ目が覚めていき、やっと玲葉の名前を言わなくなった。
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