中国にパンダ返還後も「訪問客数はむしろ増加」 和歌山県が「観光客動態調査」を公表 地元・白浜町が「ゼロ・パンダ」の影響を受けなかった“納得の理由”
パンダ以外にも見るべきところが
もちろん先にも担当者が述べたように、局所的にはパンダ返還の影響は大きい。例えば、当事者であるアドベンチャーワールドに聞くと、「パンダ返還後は、その前と比べて来園者数は6割程度に留まっています」と言う。同園にはおよそ年間90万人が訪れていたから、大打撃である。ではなぜ、白浜町全体で見ると、減少がほとんど見られないのか。
「その原因は難しいですが、推測としては、これまで町を訪れた方々の中にはパンダが目的という方もいらっしゃったでしょうが、それ以外にも訪問する動機、目的となる場所が当町の観光資源の中にあったのではないか、と。パンダは見られなくなりましたが、その他にも白浜町には見るべきところがある――そう思ってたくさんの方が変わらず町を訪れてくださったということかもしれません」(前出・白浜町観光課の担当者)
それに加えて、
「アドベンチャーワールドさんももちろんですが、その他の観光事業者さんもパンダ返還に危機感を覚え、観光客を誘致するさまざまな仕掛けを考え、積極的に取り組んだ。こうした努力が実ったのかもしれません」
町でも既存の温泉施設をリニューアルしたり、個人旅行客や団体旅行客に補助を行ったりするなどの施策を取ってきたという。
「結果、パンダ返還の影響以上に、白浜を旅行先として選んでいただけたのでは、と」
とはいえ、町はもちろんこれで満足しているわけではないという。
「コロナ禍以前と比べれば、観光客数はかなり落ちています(注:白浜温泉などの観光地の客数は、コロナ禍前の令和元年と比べ、令和7年は9割ほどに留まる)。コロナ禍で失った観光客がまだまだ戻り切っていないと言えます。パンダがいなくなっても観光客数に大きな減少がなかったことには安堵していますが、そうは言っても、パンダの集客効果が大きかったのは間違いない。パンダに負けない観光資源を積極的にPRし、より多くの方に白浜町を訪れてもらう。それが目下の課題だと考えています」
【後編】では、町長のインタビューを掲載する。パンダが返還されたことで町長も厳しい批判に晒されたが、その空気は今、どう変化してきているのか。そして、中国からの接触はまだあるのか――。
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