幸せな家庭は“ほくろ事件”でぶち壊された…義妹のでっち上げ? 元妻の病室で明かされた離婚の真相
娘との対面
もういいわよ、こんな病気の私とやり直してとは言えないし、再婚しているならなおのこと。もうここへは来ないでねと麻里さんは言った。いや、また来るよと彼は言った。
「そうだ、娘に会わせなくちゃと麻里が言いだして。いつも、あなたのおとうさんはいい人だったのよと言ってあるから恨んではいないはずって。そこへ義妹が娘を連れて戻ってきました。『長い間、ごめん』としか言えなかった。『知ってる。すべて母が悪いのよ』と娘がサバサバした口調で言ったのでびっくりしました」
この母には苦労させられたの、この叔母にもねと大学生の娘はきっぱり言った。そのふたりは、娘に「申し訳ない」と揃って頭を下げている。なんだこの人たちはと宏忠さんは呆れた。だが3人を見ているうちに、3人ともさまざまな葛藤を抱えていたはずなのに、なんとかがんばって軽やかに生きてきたのだろうと想像することができた。
前妻を病院へ…美陽子さんは疑いの目
その後、元妻は手術を受け、放射線治療や抗がん剤などさまざまな治療を続けた。いつでも駆けつけるからと言ってあるが、「再婚した奥さんに悪いから」とほとんど連絡してこない。代わりに娘がときどき連絡をくれる。
「あるとき、娘が『麻里さんの体調が悪いの。病院に連れていきたいんだけど、私はどうしても試験があって抜けられない。この試験を受け損なったら留年しちゃう』と連絡してきたんです。娘と麻里はお互いに名前に“さん”をつけて呼んでいる妙な親子でして。そう言われたので、僕が麻里を病院に連れて行ったんです。たまたま仕事のない日で、美陽子も代休をとったから一緒に出かけるはずだった。でも、どうしても麻里に付き添ってやりたかったんです」
それが4ヶ月ほど前のできごとだ。「仕事で緊急の用ができた」と言い訳して家を出たが、美陽子さんは疑いの目を向けていた。麻里さんを病院に送り届けると、少し体力が落ちているから入院したほうがいいと言われた。娘に連絡し、試験が終わったら行くと言った娘を待った。
「入院手続きを終えて、娘とふたりで病院近くでランチをとりました。ふたりきりでランチなんて初めてだった。『宏忠さんの人生を教えてよ』と言われましたが、どう伝えたらいいか迷いましたね。小学校に入学してすぐに別れた娘が、こんなふうに大人っぽい口をきくのがいまだに信じられなくて……」
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