「えっ、郵便局員じゃない人が配ってたの?」…公取委が「日本郵便」にフリーランス法違反で勧告 “小泉改革”が変えた集配業務の実態
ボタンの掛け違いの原点
集配業務が“自前”で行えなくなった原点は、やはり2007年の郵政民営化だ。
郵政事業を「最大の既得権益」と指弾した小泉純一郎元首相の旗振りでスタートした郵政民営化で、国家公務員だった郵便局員は会社員となり、企業として利益を出すためコスト削減と並行して人件費の高い正社員の新規採用を抑え、非正規雇用や外部委託への切り替えを急速に進めた。
またメールの登場で手紙の数が激減して大赤字になる中、過疎地も含めて全国一律の料金で郵便を届ける“ユニバーサルサービス”の義務は民営化後も課され続け、人手不足を「都合よく使えて」(同公取委関係者)、なおかつ安価なフリーランスの個人で埋めるしかなくなったのだ。
前述の公取委元幹部は「昔、郵便配達トラブルと言えば、アルバイトが年賀状のあまりの多さに面倒になって無断で廃棄するのが、正月の『悪い風物詩』みたいなものだったが、イマドキの潮流は、臨時バイトの個人の資質なんかではなく、組織的で構造的な問題へと完全に変化したと言っていい」と語る。
全国の郵便局では2021年から24年にかけて、業務に追われた配達員らによる郵便物の放置や廃棄、隠匿が相次いで発覚。だが日本郵便は「犯罪とは断定できない」との“言い訳”で、少なくとも30件で計4000通以上の不配を公表せずに隠していた。25年9月に総務省(旧郵政省など)は、日本郵便に行政指導を行っている。前述の公取委関係者はこう語った。
「ウーバー(Uber Eats)や出前館のように、最初からフリーランスだと分かっていて頼むサービスならともかく、信頼のインフラであると思っていた郵便局で、あってはならないことが行われていた。高齢者を中心に全国に郵便局があることで助かっている人は多いだけに、日本郵便がどう透明性を確保し、信頼回復を図っていくのかに注目したい」
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