沖縄での「修学旅行生の平和学習」は過激化している! 「生徒に犯罪教唆するような内容が…」 遺骨収集活動では「ヤラセ疑惑まで」

国内 社会

  • ブックマーク

吐き気を覚えるようなひどい悪臭

 子どもたちに興味・関心をもってもらうためにより「強烈な体験」へと誘(いざな)っていく。そんな平和学習の過激化ともいえる傾向は沖縄では珍しくない。分かりやすいのは、南風原(はえばる)市の「沖縄陸軍病院 南風原壕群20号」で行っている「死臭や屎尿の混ざった臭(にお)い体験」である。

 県内外から多くの子どもたちが平和学習に訪れているこの壕では、先の大戦時、薬など物資不足の中でろくに手当や治療を受けることができなかった兵士たちが苦痛の中で亡くなった。そんな解説をガイドから受けた後、希望者は当時の壕内に充満していた人の死臭と屎尿が混ざった「臭い」を擬似体験できる。生存者に意見を聞きながら化学薬品で忠実に再現したというもので、実際に筆者も嗅いでみたがすぐに吐き気を覚えるようなひどい悪臭だった。

「ちょっとやり過ぎでは」と眉をひそめる人もいるだろうが、そういう否定的な意見は現地では少ない。軍民合わせて約20万人の命が奪われた沖縄では「戦争の悲惨さを伝える」という目的は何をおいても優先される傾向がある。裏を返せば、そこさえしっかりと押さえておくなら、どんな人であっても「平和学習」の名の下で子どもたちを“洗脳”することが可能になってしまう。それが仮に、「反政府運動」を展開している人物であっても、だ。

「遺骨収集ボランティア」とは異なる別の顔

 この構造を象徴するのが、遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松氏(72)である。沖縄戦で亡くなった人の遺骨収集を40年以上続け、2024年に公開されたドキュメンタリー映画「骨を掘る男」でも取り上げられた、この分野のカリスマ的な存在として知られる具志堅氏。彼も多くの修学旅行で「平和学習」に携わり、同志社国際の研修旅行でも「戦没者の遺骨収集と沖縄の歴史と信仰を感じるコース」を担当している。同志社側が設置した特別調査委員会の報告書によれば、同校の教師が具志堅氏の著書を読んで感銘を受けて、依頼をすることになったというが、この人選についても辺野古ボートツアー同様、政治的中立性を欠いていると指摘されても仕方ないのではないか。実は具志堅氏には「硬骨の平和活動家」という別の顔もあるからだ。

 例えば昨年は那覇駐屯地の陸上自衛隊が「沖縄全島エイサーまつり」に参加を表明すると、「祖先崇拝の文化を軍靴で踏みにじるものだ」と記者会見を開いて参加自粛を求めた。今年2月の衆院選では「戦争の危機が高まっている」と日本共産党の赤嶺政賢前衆議院議員を応援。6月には高市早苗首相がいわゆる「台湾有事」発言の撤回をせずに、沖縄全戦没者追悼式に参列することに抗議して、県庁前で3日間のハンガーストライキを敢行した。

 ここまで強い政治信条を持っている人物ならば、辺野古事故被害者遺族も懸念していた「偏った情報を一方的にインプットされる」という偏向教育の問題も起きかねない。実際、具志堅氏の「教育者」としての素養を疑う声が一部で噴出している。

 後編では、具志堅氏たちが行う「遺骨収集体験」で、既に発掘された水筒や入れ歯などの遺品を埋め直して、それを子どもたちに掘らせていることがあるという疑惑について報じる。

窪田順生(くぼたまさき)
1974年生まれ。雑誌や新聞の記者を経てフリーランスのノンフィクション・ライターに。事件や世相などを幅広く取材。近著に旧統一教会内部を取材した『潜入 旧統一教会 「解散命令請求」取材NG最深部の全貌』(徳間書店)がある。その他、著者多数。

週刊新潮 2026年9月17日号掲載

特集「同志社国際高『平和学習』に新たな問題 研修旅行『遺骨収集担当』活動家の“ヤラセ疑惑”」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。