「80%オフ」で投げ売りも…雑貨店に子どもが殺到し、フリマサイトで暴騰した“シールブーム”の現在地 儲かったのは“転売屋”だけとの嘆息も
あの人気シールも入手できる
昨年に爆発的に巻き起こったシールブームの火付け役となったのが、ぷっくりとふくらんだ形状をした「ボンボンドロップシール」である。種類によってはフリマサイトで定価の数倍で取り引きされる事例が相次ぎ、子供たちのシール交換でも最上級の“レート”とみなされ、特別扱いされていたシールだ。
長らく品薄状態が続いたボンボンドロップシールも増産が行われたこともあって、今では店頭に並ぶようになっている。実際、筆者も大量に入荷している店を目にしたし、なかには希少価値が高かったサンリオキャラクターなどのシールもあった。争奪戦のような事態は起こらなくなっている印象を受ける。
しかし、シールの人気が完全にオワコン化したのかというと、決してそうではないだろう。人気自体は、陰りが見えてきたとはいえ健在と思われる。現在も上映中の「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」では、来場者特典としてボンボンドロップシールをつけたところ、ファンが殺到、瞬く間になくなってしまったほどであった。
そうした希少価値があるシールは、まだまだフリマサイトではプレミア価格で取り引きされているものの、あらゆるシールが入手困難だった昨年と比べたら隔世の感がある。シールが“本当に欲しい”人のもとに届くようになった今の状態こそが健全であり、これまでが異常だったといえるだろう。
儲かったのは転売屋だけ
今回の取材で話を聞いた量販店の店員は、「シールが手に入りやすく、売りやすくなったことは歓迎」と話す。というのも、シールはもともと薄利多売の商品であり、大量に販売してもそれほど利益があるわけではないからだそうである。そのため、店側がブームで得た利益は、販売点数の割には決して大きくないとされる。
ブームで儲かったのは、店頭でシールを買い占めて定価の数倍で売りさばいた転売屋くらいだろう。その転売屋が殺到したために店側は転売対策を強いられ、行列を整理するために人員を割く羽目になった。以前は、「シールブームは早く収束してほしい」と口にする店員がいたというが、それだけ苦労が絶えなかったのだろう。
現在、雑貨の界隈では“スクイーズ”のブームがひそかに起こっているようだが、シールほどの盛り上がりにはなっていないようだ。ブームが起こるのはいいことだろう。しかし、昨今のブームは店側にとって負担が大きく、横流しする転売屋ばかりが儲かる構図になることが多い。「頼むから、うちで売っている品物がブームにならないでほしい」という店主が少なくないというのも、頷ける話である。










