午前1時に「ビルから人が落ちてきた」 44人死亡の「歌舞伎町ビル火災」から25年…「何も着ていない女性も」「内部温度は700度に」目撃者や救助隊員の証言で振り返る地獄絵図
週末のにぎわう歌舞伎町で
このうち、男性18人、女性10人と全体の半数以上の犠牲者を出したのが、4階の「スーパールーズ」である。
「いらっしゃいませェ」
エレベーターが開くと、すぐ目の前にあるカウンターにズラリと腰かけた、色とりどりのセーラー服にルーズソックス姿の女の子たちが振り向く。照明を落とした薄暗い店内を左手の奥に進むと、壁に沿ってコの字形にソファーが並び、女性はテーブルを挟んで1対1で接客してくれる。
「つい先日も楽しんできたばかりでした。中には家庭に複雑な事情を抱えている女の子もいましたが、若くて明るい子が多かった。でも、よく指名していた女の子も今回は亡くなってしまって……」
と常連客の一人は言う。
かつて同店に勤務していた女性(19)によれば、
「個室サービスなどはありませんでしたが、セット料金が税別で6900円からと手頃なせいか、よくサラリーマンの接待などにも使われていました。いつもいる女の子は平日で8人くらい、週末で10人ちょっと。何人かは専門誌に写真入りで紹介されたこともあります。面接の時、店長には過激なサービスはないから、と言われましたが、お客さんとの交渉次第ではかなりのことをさせている女の子もいましたね」
人がドーンと落ちてきた
火元になった3階のマージャンゲーム店「一休」では、その時テレビマージャンに興じていた15人の客全員が犠牲になった。従業員5人のうち通りに面した避難口や反対側にある厨房の窓から外に飛び降りて3人が助かったが、2人は重傷を負っている。
異変は突然、訪れた。
「時刻は1時前でした。通りで呼び込みをしていたら、いきなり僕のすぐ近くにドーンと男の人が落ちてきたんです」
と話すのは、近所のカラオケ店の店員だ。
「最初は自殺だと思ったんですが、エプロンをしていたので、すぐマージャンゲーム店の従業員だということが分かりました。上を見ると、非常窓を覆っていたビニール製の宣伝幕が突き破られ、その穴から白い煙が噴き出していました。男性は頬からこめかみにかけて血だらけでした。それがフラフラ立ち上がり、ビルの中に入ろうとするので慌てて引き止めたんです」
前後して、「バーン、バーン」という爆発音を通行人や住民が聞いている。隣接するビルの飲食店店主が言う。
「ヤクザの抗争でも始まったのかと思いましたが、続いてすぐに“火事だ”という叫び声がした。周囲にキナくさい臭いが瞬く間に立ち込め、外を見るとビルの3階から煙が出ているのが分かりましたが、その時点では炎はまだ確認できなかったので、せいぜいボヤ程度かと思っていたんです」
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