“選挙互助会”だった「中道」分裂は必然…「立民は公明に“甘い汁”を吸われただけ。2度の失敗に学べなかったダメージは深刻」と専門家

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統一地方選の影響

 ここで伊藤氏が思い出すのは2017年に起きた希望の党における一大騒動だ。「排除の論理」という流行語をご記憶の方も多いだろう。

「2017年9月、小池百合子・東京都知事は希望の党の結党を発表しました。これに民進党が合流に向けて動きます。その際、民進党の一部議員と安全保障や憲法観が一致しないことを記者会見で問われた小池知事は『排除いたします』と答え、世論が猛反発しました。立憲民主党が誕生するきっかけにもなったわけですが、希望の党との合流も“選挙互助会”を求めた結果でした。そもそも新進党の結党も同じ“選挙互助会”でしょう。過去に2回、苦い失敗を経験したはずなのに、中道における立民は今回で通算3回目の失敗を繰り返したことになります」

 伊藤氏は来年4月に統一地方選が実施されることも大きな影響を与えたと指摘する。

「自民党と公明党が連立政権を樹立したのは1999年のことですが、それよりもずっと前から地方政治で自公は協力関係を構築してきました。ところが来年の統一地方選を中道で戦うとなると、立民の支持母体である官公労は、創価学会と協力しなければなりません。2つの組織は水と油と言ってよく、中道の中で立民と公明の“熱のない対立”が加速した原因だったのです。この点からも中道の瓦解は避けられなかったと言えます」

半減で悪かったのか?

 改めて振り返ってみると、公明のダメージは軽微だったのに対し、立民のほうは深刻なレベルに達してしまった。何よりも有権者に不信感を与えてしまったことが大きい。

「率直に言って、政治の世界に宗教団体が関与することを疑問視する有権者は無視できない数に上ります。これまで立民を支持してきた無党派層が今回の衆院選で離反した原因の一つでしょう。中道が結党する前、立民の国会議員が“議席半減”を非常に恐れていたことについては前に触れました。それがこういう結果になった今、『ならば半減で悪かったのか?』という疑問は非常に重要だと思います。たとえ議席を大幅に減らすことが分かっていたにしても、自分たちの主張を曲げず、愚直に選挙で訴え続ける。衆院選で地道に選挙を戦っていれば、『立民には投票しなかったが、姿勢は筋が通っていた』と評価されたかもしれないのです」(同・伊藤氏)

 中道のミスで、高市政権が“敵失”を得たのは間違いない。この追い風が注目の幹事長人事に影響を与えるのか否か、【麻生副総裁の意中の「愛い奴」の名前 高市首相に推薦する自民党幹事長人事】では自民党内の動きを詳報している。

デイリー新潮編集部

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