「ミャクミャク」の関連商品にも「合成着色料」が “安心安全”を謳う日本の「巨大食品会社」が抱える大きな矛盾

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米国では規制、日本では「ミャクミャク」グッズにも使用

 米ハーバード大などで食事や生活習慣と疾患の関係を研究してきた、内科医で医学博士の大西睦子氏はこう指摘する。

「日本の食品メーカーがESGや健康への貢献を掲げるのであれば、実際にどのような食品を消費者に提供しているのかも重要です。手軽に口にできる加工度の高い食品を販売しながら『健康への貢献』を強調するのなら、その整合性は検証されるべきでしょう」

 ESGの本場である米国では、理念に反する加工食品への規制が強化されつつある。代表例が「合成着色料」への対応だ。一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事で、加工食品ジャーナリストの中戸川貢氏が解説する。

「食品ラベルの原材料表示に『赤色102号』などと記載されているものを見たことがあると思いますが、米国では昨年4月から保健福祉省とFDA(米国食品医薬品局)が、石油由来の合成着色料を食品から段階的に減らしていく方針を発表しました。既に禁止が決定していた『赤色3号』だけにとどまらず、『赤色40号』『黄色5号』『黄色6号』『青色1号』など計8種類が対象となっており、食品メーカーに天然由来の着色料などへの切り替えを促しています」

 一方、日本では規制が進んでいない。

「象徴的だったのが、昨年行われた大阪・関西万博でしょう。公式キャラクターの『ミャクミャク』は赤と青の配色が特徴的でしたが、関連商品として発売された菓子などには『赤色102号』や『青色1号』などの合成着色料が使われていました。口にしたら舌に色がつきそうなほどカラフルな商品が、お土産としてたくさん売られていた。それくらい日本では合成着色料への抵抗感が薄いのです」(同)

 EUではすでに、6種類の合成着色料を含む食品に「子供の注意力などに悪影響を及ぼす可能性がある」との趣旨の警告表示を義務付けている。代表的な根拠となったのは2007年に英サウスサンプトン大学の研究チームが医学誌『The Lancet』に発表した論文で、子供を対象とした二重盲検試験で合成着色料と保存料の混合物を摂取させたところ、過活動や不注意などを総合した指標が悪化した。

「見栄えを良くする」ための発色剤、誰のためのリスクか

 危険な食品添加物は他にもある。色鮮やかなピンク色で販売されるハムやベーコン、ウインナーなどの加工肉に使われている「発色剤」だ。厚労省食品添加物公定書作成検討会委員などを歴任した薬学博士の中村幹雄氏によれば、代表的な発色剤「亜硝酸ナトリウム」は食品中のアミンと反応してニトロソアミン類を生成する可能性があり、この物質は2012年に国際がん研究センターが人に対して発がん性があることを示唆する「グループ1」に分類している。

 一般社団法人加工食品診断士協会代表理事の安部司氏はこう喝破する。

「いわば商品を美味しく見せるのが目的であり、見栄えを良くするためでしかない添加物です。食品メーカーは企業として利益を上げるのが最優先ですから、消費者が見栄えの良い商品を求めている以上は発色剤が必要なのです」

 重要なのは、食品添加物を使うことで誰にメリットがあるのかという点だ。鮮やかなピンク色のハムは食欲をそそるかもしれないが、健康リスクがあるとなれば本末転倒である。

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