桐谷広人氏のがん公表で話題「自転車に乗り過ぎると前立腺がん」はホント? 専門医二人の答え
前立腺がんと大腸がんを患っていることを公表した投資家で棋士の桐谷広人氏(76)。株主優待券を握りしめてママチャリで激走する姿が印象的だが、SNS上では「自転車の乗り過ぎで前立腺がんになったのでは」との指摘が。これってホント?
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優待券でゲットした自転車、愛称「優待号」を飛ばしてファミレスへ。食事を一気にかき込んだら、今度は映画館へと全速力。飲食やレジャーなど1000以上の銘柄を保有する桐谷氏は毎日、優待券を使っていかないと次々と権利が消えかねない“おいそが氏”として知られる。
健康維持のためにもそんな生活を楽しむ桐谷氏が、7月下旬放送のバラエティー番組「月曜から夜ふかし」(日テレ系)で、前立腺がんと大腸がんを患ったと明かしたのである。
その告白は一気に広まって、SNS上には「『優待号』が前立腺がんの要因だったりしない?」「自転車を漕ぎまくると刺激で前立腺がんのリスクが上がるっていう話を聞いた」などと心配する声が溢れ返っている。
週8.5時間以上で“6倍”
で、この指摘、あながち外れてもいないのではと思わせるのが、12年前に話題となった海外の調査報告だ。英ロンドン大学の研究グループが男性サイクリスト約5000人を対象に調べたところ、50歳以上の男性で週8.5時間以上自転車に乗る人は、週3.75時間未満しか乗らない人に比べて前立腺がんが見つかる割合が6倍以上だったという。当時、日本でも紹介され、自転車通勤のサラリーマンを不安がらせたものだった。
専門家は否定
この伝でいくと50歳以上で1日1時間強、自転車を漕ぐ男性はハイリスク群になってしまうが、実際のところはどうなのか。がん専門医で帝京大学医療技術学科の佐藤典宏教授に改めて聞いてみると、
「この研究は“自転車に長時間乗ったから前立腺がんになった”という因果関係を証明したものではありません。『観察研究』と呼ばれるもので、自転車によく乗る人とあまり乗らない人に分類し、その後、どれくらい前立腺がんが見つかったかを調べたものです。このようなインパクトのある研究が発表されると各国で再検証されますが、同様の結果が次々と報告されるということはなく、自転車が直接、前立腺がんの原因になるという証拠は、現時点ではありません」
前立腺がんなどのリスクを評価する腫瘍マーカー「PSA値」についても、
「自転車で前立腺が圧迫されて上昇することはあります。ただ、前立腺から出るタンパク質が一時的に増えるためで、がんのリスクが上がったとはいえません。そもそも前立腺がんの原因の一つは加齢で、50歳以上になればリスクは自然に高まります」(同)
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