「食品ロス削減」「SDGs」が浸透しても“キャベツに虫の喰った跡”があれば「返金しろ!」 スーパーに“高品質できれいな農作物”だけが並ぶことへの違和感
農薬を使うしかない理由
ほとんどの野菜や果物は厳しい自然環境の中で育てられる。収穫までそのまま放置していると、当たり前だが、品質にばらつきが生まれてしまう。虫の付着はクレームの元になるし、虫が葉や茎の液を吸ったり、微生物などが病気を媒介すると葉が変色するなどのトラブルも起こる。これらを未然に防ぐためには、農薬の使用は欠かせない。
無農薬、有機栽培、オーガニックなどがもてはやされ、傷んでいる野菜も消費しようなどと訴える人もいる。しかし、「そういった主義主張をする人でも、実際に店頭に並んだ時に選ぶのは、品質が管理され、虫がついていない“工業製品のような野菜”」なのだと、前出の農家が指摘する。
「農薬を使わないで育てろ、環境に配慮しろなどと身勝手なことを言う人がいます。しかし、今の消費者の要求水準を満たす野菜を、農薬を使わずに実現させるのは不可能です。スーパーの店頭でも、見た目に難のある野菜を優先的に買い物カゴに入れる人など、ほぼいないのではないでしょうか。
とにかく、消費者があまりに農作物に対して無茶な要求をするようになっていることが、出荷できない農作物を生み出す原因になっている。こうした無駄が野菜や果物の価格高騰に繋がっていると思うし、農家の経営を厳しくしていると感じます」
虫に対する免疫を高めるべき?
日本は間違いなく世界でも有数の、市街地にゴミが落ちていないきれいな国である。掃除も行き届いているため、虫を見かけることはほとんどなくなった。住宅の気密性も高まったため、“みんなが嫌いなあの虫”を除けば、ハエなどが入ってくること少ない。いや、“みんなが嫌いなあの虫”ですら、一昔前と比べたら目にする機会は減っているはずだ。
そのせいか、現代人は虫に対する免疫や、抵抗力が弱まっているのではないだろうか。実際、極端な虫嫌いが増えている印象を受ける。
野菜に付着した虫を「自然のものだし、仕方ないよな」「虫がいるくらいなら、安全な証拠」と思える人が増えれば、社会問題化しているカスタマーハラスメントの元を少しでも絶つことができる。さらに、農家が安定して生活できることにも繋がると思うのだが、いかがだろうか。
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