視聴率好調の「大空港」で話題の“入管” …バラエティ番組で“入国審査ブース”を体験させるウラに見え隠れする“広報戦略”
トランプ氏復活の余波
「特定技能は2019年から23年にかけて段階的に導入され、技能実習制度は27年の廃止が決まっています。日本には外国から労働者も観光客も大挙してやってきて、人口減少が進む日本の経済を回す原動力になるはずだったのです。ですが、コロナ禍という予期せぬ重大事態が起きたのです」(前出の社会部記者)
景気の低迷と、物価高騰のダブルパンチが社会に不満を蔓延させることは歴史が証明している。世界的に移民排斥とナショナリズムの高揚、世論の右傾化が進み、日本も例外ではなかった。
「そんな状況を後押ししたのが、やはりトランプ米大統領の存在感です」(同)
「アメリカファースト」を掲げ、メキシコ移民を徹底的に敵視。「国境に壁をつくる」と公約したトランプ氏が2024年11月の選挙で返り咲きを果たした。SNSを駆使するトランプ氏の発信力は、日本にも「外国人反対」のネガティブキャンペーンを生み出している。
「ベトナム人の犯罪や、オーバーツーリズム、中国人富裕層による日本の土地やマンションの買いあさり、来日中に国民健康保険で高額な医療を受けるといった社会保障への“タダ乗り”など、外国人への不満が『移民』というキーワードで一緒くたにされ、不満のやり玉に挙がっているんです。この時流にうまく乗ったのが、参政党ということでしょう」(同)
入管関係者は「一昨年の末ごろから風向きが変わり、私たちは逆風にさらされています。選ばれる国になるため、外国人も住みやすいよう共生社会の実現に尽力するのが入管の責務だったはずが、『入管は外国人に甘い』『犯罪目的の入国者を見過ごしている』と非難する声が急増。入管はイメージアップの必要に迫られているのです」と明かす。
入管庁は入管局時代の4871人から6903人へと2000人以上増員され、共生社会実現に向けて多忙となった業務に黙々と邁進していたが、突然、批判の矢面に立つこととなった。
「なので入管は今、親しみやすさの演出と外国人にしっかり“是々非々”で対処している点をPRしていくという広報戦略なのです」(前出の入管関係者)
羽田潜入のバラエティ番組でも、入管のマスコットキャラクター「イミグー」をアピール。出入国の手続きがどんどんスムースになっていることを随所で強調する一方、不良外国人にはいかに厳しく対応しているかを「外国人に不満を募らせている人たちへの“ガス抜き”のためか、執拗なほどに」(同前)説明していた。
サブスク全盛の中、冬の時代を迎えていると言われるドラマは、原作がヒット漫画というケースも多いが、あえて主役を税関職員に設定したかのような完全オリジナル脚本の「大空港」。そのドラマ制作には、移民政策をめぐる今の“社会情勢”が色濃く影響しているというのが、どうやら真相なようだ。
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