令和の「甲子園最強校」はどこだ 最多勝は大阪桐蔭ではなかった…数字から見えた意外な“勢力図”
独自の存在感を強める花巻東
もう一つ、強豪校を測る材料になるのが甲子園への出場回数だ。全国大会で勝つ以前に、県大会や地区大会を突破しなければ甲子園には立てない。令和の出場回数を集計すると、勝利数とは違った顔ぶれが並んだ。
◇令和の甲子園出場回数上位チーム(8回以上)
10回(春5回・夏5回):敦賀気比(福井)
9回(春3回・夏6回):智弁和歌山(和歌山)
9回(春6回・夏3回):大阪桐蔭(大阪)
9回(春6回・夏3回):山梨学院(山梨)
8回(春3回・夏5回):仙台育英(宮城)
8回(春3回・夏5回):沖縄尚学(沖縄)
8回(春5回・夏3回):健大高崎(群馬)
8回(春3回・夏5回):花巻東(岩手)
8回(春3回・夏5回):明徳義塾(高知)
8回(春3回・夏5回):明豊(大分)
最多は敦賀気比の10回だった。勝利数12勝以上には入っていない花巻東、明徳義塾、明豊も8回で並ぶ。「甲子園へ出続ける力」と「出場した甲子園で勝ち上がる力」は、必ずしも同じではない。
敦賀気比は春夏合わせて10回出場し、令和最多を記録した。福井県、北信越を継続して勝ち抜く力は大きな強みだ。仙台育英は出場8回ながら22勝。甲子園へたどり着く回数では敦賀気比が上回る一方、全国大会での勝ち上がりでは仙台育英が抜けている。
花巻東も興味深い存在だ。以前は原則として岩手県内出身の選手でチームを構成していたが、近年は県外にも広く門戸を開くようになった。
菊池雄星(エンゼルス)、大谷翔平(ドジャース)と世界で活躍する選手を輩出し、佐々木麟太郎も高校卒業後に米国へ進んだ。甲子園での実績だけでなく、卒業後の進路も含めて独自の存在感を強めている。
今回の集計で興味深かったのは、指標を変えると評価される学校も変わる点だ。通算勝利数は仙台育英、春の勝利数は大阪桐蔭、出場回数は敦賀気比。出場1回あたりの勝利数では仙台育英に続いて智弁学園が入り、夏の勝利割合なら京都国際がトップになる。
2010年代には大阪桐蔭の強さが高校野球を象徴する時期が長かった。令和では、勝利数、春夏の成績、出場頻度のどれを見るかによって「最強」の顔ぶれが変わる。一校が抜け出すのではなく、異なる強みを持つ学校が頂点を争う。今回の数字は、現在の高校野球が群雄割拠の時代に入ったことをよく示している。
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