「ハビタが無責任な態度に終始するなら…」 イオンモール爆発事故の被害者遺族が怒りの証言 専門家は「刑事責任の追及は可能」
「ハビタが無責任な態度に終始するなら……」
玖瑠美さんは一度避難した駐車場で、偶然会った親族に“会社から売上金を金庫に移すよう言われている”と伝えていたのだ。
「そのことを追及されたハビタは、最終的に金庫への入金を玖瑠美たちに頼んだことは認めたのに“イオンが入っていいと言うなら”と条件をつけていたことを、やたら強調するようになった。このような二転三転の説明を繰り返すハビタは、保身に走っているとしか思えず、誠実さをまったく感じません」(前出の親族の男性)
しかも玖瑠美さんの通夜に姿を現したハビタの社長と幹部は、その場で遺族に今後の補償について提案を行っていたというのである。
「その時点では葬儀も終わっておらず、何より真実が分かっていない段階では、遺族として補償の話なんてできません。まずは玖瑠美の最期に何があったのか。それをわれわれは知りたいので、ハビタ側の提案は蹴りました。遺族が納得できる説明を受けられて、初めて今後のことを考えられるようになる。私だけでなく、玖瑠美の母親やきょうだい、親族たちも、今後もハビタが無責任な態度に終始するなら、法廷で責任の有無や真実を明らかにするしかないと思っています」(同)
「刑事責任の追及は可能」
玖瑠美さんのみならず、今回の爆発で亡くなった人々の遺族は、刑事責任や民事上の補償を求めることができるのだろうか。
元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は、
「いったんは避難したにもかかわらず、イオン側が再入館を認めて、テナント企業も後片付けなど業務上の指示をしていたとなれば、遺族の方々は双方に民事賠償の請求ができます。刑事的には業務上過失致死罪を問うことになる。地震直後は、爆発のみならず建物が崩壊するなどさまざまな不測の事態を予見して、イオンやテナント側は再入館しないよう徹底しなければならなかった。それを怠ったとなれば、刑事責任の追及は可能です」
今回のケースでは労災の申請も可能になると話すのは、社労士の北村庄吾氏だ。
「厚労省は地震で業務中に被災した場合、正社員、契約社員、パートといった雇用形態によらず労災の対象になるという考え方を示しています。最大のポイントは、亡くなった方々がなぜ館内に戻ったのかという点です。会社の業務が理由なら労災と認められる可能性は極めて高い。私物を取りに戻った場合でも、再入館が認められた事情まで考慮すれば、労災は否定できないと考えられます。また労災と企業側の補償は別問題で、再入館を認めた経緯や安全管理上の問題が明らかになれば、民事上の損害賠償を求めることができる可能性もあります」
いつまた起きるかもしれない震災で同様の犠牲者を出さないためにも、真相の解明を求める遺族の闘いは続く。
前編では、被害を免れた生存者による緊迫の証言を報じている。
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