いまや保険やサプリのCMばかり…「テレビ」はいつから高齢者向けのメディアになったのか
可処分時間の多い人のためのメディア
NHK放送文化研究所による「国民生活文化時間調査2025」では、国民全体のテレビ視聴時間は2020年の3時間1分から2025年は3時間14分に上昇し、70歳以上は同5時間12分から5時間47分に上昇。20・30代は減少したという。1日に15分以上視聴する割合は、20代が33%で30代が43%、70歳以上は92%。ネット時代に高齢者の視聴時間が延びているというのはそれだけテレビを必要とする人が多数存在することの表れだ。
結局可処分時間の多い人のためのメディアであり、流れるCMもかつて多かった化粧品や自動車は数を減らし、健康食品にサプリメント、保険などが目立つ。当然メイン視聴者向けにコンテンツは作っているわけなので、もはや、現役世代にとっては「我々はお呼びでない」といった感覚になっている。
そんなことから、最近のドラマに出る俳優や芸人もとんと分からなくなった。芸能人のことを知るのは、結婚か訃報か病気かセクハラ・パワハラのニュース程度である。まぁ、元々概要だけ知っておけばいい話なのに、同じ映像を何度も見させられるのを受け入れていたことの方がおかしかったわけだ。「壮快」「NHKきょうの健康」「明日の友」などのシニア向けコンテンツを現役世代は「あれは高齢者が読むもの」と寄り付かなかったが、現在のテレビの状況も同じようなものである。
医療費も高騰しているが、それはテレビが健康雑誌化したことも影響しているのでは。なにしろ雑誌の発行部数とテレビの視聴者数はケタが違う。惰性で健康情報や危険情報を受け取り続けた結果として、「安心・安全」が最優先される事態となり、大票田である高齢者向けの政策が優遇される社会が到来したのかもしれない。













