夢のプロジェクトとも称された「みんなで大家さん」 ついに大阪府と東京都が業務の許可取り消しへ
事業の継続を主張
共生バンクグループは、業務報告書を出したあとの7月31日、「事業参加者保護及び事業継続に関する基本報告書」と題する30ページに及ぶ文書を出資者宛てに送った。その中で、「当社は、事業参加者に対する償還及び分配の実現を断念することは考えておりません。この責務を果たすためには、個別の対応に終始するのではなく、当社及びグループ全体の事業基盤を維持・再構築し、将来にわたり資金を創出できる体制を回復することが不可欠であると判断しております」などとして、あくまでも再起を目指すことを表明している。
成田でのプロジェクトについても、「成田空港の更なる機能強化及び国際競争力向上を背景として進められているものであり、当社グループが保有する土地を活用した大規模開発計画です。現在、関係官署との各種手続を進めながら、事業化に向けた準備を引き続き継続しております。厳しい状況下ではありますが、国内外の提携先との協議を進め、事業再建に必要となる資金調達にも取り組んでおります」と、あくまで事業の継続を主張しているのだ。
くつがえる可能性は極めて低い
しかし、関係者の話を総合すると、こうした主張を聴聞で述べたとしても、「許可取り消しという処分の方針がくつがえる可能性は極めて低い」「聴聞といっても、あくまでも形式的に行うだけ。債務超過であるのだからもはや処分は確定的だ」との声が上がっており、事業許可の取り消しは既定路線のようだ。
ただ、ここまで重大な問題に至るまで、なぜ業者側を適切に指導できなかったのか――という点は解消されていない。「そもそも、それまで問題を指摘していなかったのに、世間で徐々に騒がれるようになった2年前に慌てて行政処分を出したという印象はぬぐえない。大阪府や東京都はもちろん、国交省や金融庁なども含めて責任を押し付け合っている状態だろう」(不動産関係者)
いかがわしい投資の類と見る向きもあれば「夢のプロジェクト」と持ち上げる識者もおり、国や自治体、経済界が手を携えるようにして推進されてきた「みんなで大家さん」。共生バンクグループの責任はもちろん免れないだろうが、行政側についても事業許可の取り消しはともかく、現状のような混乱を引き起こした背景も含めて検証が必要であろう。



