「ブスだといじめに」「整形で幸せになるなら」「したら縁を切る」…“わが子の整形”に賛否両論 専門家が教える「大正解の対応」とは?

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「普通」の基準が底上げされたSNS時代

「最も大きな要因は、SNSの普及によって、子どもたちが『理想の顔』を目にする機会が飛躍的に増えたことです」

 そう指摘するのは、子どもの容姿に対する意識や心理に詳しく『きれいになりたい病』などの著書がある東京未来大学こども心理学部の大村美菜子先生だ。

「昔は芸能人やモデルが憧れの対象でしたが、現在は同年代のインフルエンサーや友人の加工写真が日常的に流れてきます。そのため、『普通』の基準そのものが高くなり、自分の容姿に不満を抱きやすい環境になっています。実際、小学生を対象に行った調査では、女子の約8割、男子の約7割が自分の容姿を気にしており、多くの子どもが容姿に関する嫌な経験をしたことがある、と回答しています」(大村先生、以下同)

 昔も容姿に悩む子どもはいたが、今はSNSの普及で「常に比較される環境」にある点が大きく異なるという。

「さらに、整形は特別なことではないという認識もSNSの影響で広がっています。心理的なハードルが下がったことで、悩みを解決する手軽な手段の一つとして整形を考える子どもが増えているように感じます」

 特に容姿を気にする子どもからは、「自分の顔が嫌い」「SNSに顔を載せたくない」という切実な悩みも目立つという。自己評価の低さと同時に、他者との比較が強く影響しているとみられる。比較対象が「加工後の自分」というケースも。

「加工した自分の顔が理想像となり、それに近づきたいという思いを抱くケースも少なくありません。加工アプリ自体が理想の基準となり、現実の自分とのギャップに悩む若者も見られます」

子どもの整形には心理的なリスクも

 アンケートでも「成長期の手術への不安(約22人)」や「大人になってからやるべき(約25人)」という親の慎重な意見が多く見られたが、大村先生も未成年の整形には身体的・心理的なリスクが伴うと注意を促す。

「身体的には、成長の途中で顔や身体のバランスが変化する可能性があります。そのため、将来的に再手術が必要になることもあります」

 さらに深刻なのが、心理的なリスクだ。

「悩みの根本原因が、自己評価の低さや他人との比較にある場合、整形をしてパーツを変えても満足感が長続きしないことがあります。『ここを直したら、次はあそこが気になる』と終わりのない泥沼に陥るケースもあり、特に醜形恐怖の傾向が強い場合には要注意です。未成年に対しては、外見だけでなく、なぜそこまで苦しいのかという心理面の支援が不可欠です」

 もしある日、わが子から「整形したい」と打ち明けられたら、親はどう対応するのが正解なのだろうか。専門家が「絶対に避けてほしい」と語るのは、「絶対ダメ」と頭ごなしに否定することと、「いいよ」と簡単に同意することの両極端な対応だという。

「最初に大切なのは、『どうしてそう思ったの?』『何が一番つらいの?』と理由を丁寧に聴くことです。整形そのものの是非を議論する前に、何が子どもをそこまで追い詰めているのかを理解する姿勢が重要になります」

 単なる一時的なブームや憧れなのか、それとも深刻な心のSOSなのか……。それを見極める手がかりとして、大村先生は以下のポイントをチェックしてほしいとアドバイスする。

 ・いつ頃から悩んでいるのか
 ・誰かに容姿について嫌なことを言われた経験があるか
 ・学校生活や友人関係に支障が出ているか
 ・写真を極端に嫌がったり、鏡ばかり見ていたり(あるいは全く見ない)して、生活に支障が出ていないか

 これらを確認し、いじめや深刻なコンプレックスで限界に達している場合は、必要に応じて学校やカウンセラー、医療機関などの第三者に相談しながら一緒に考えていくことが望ましいという。

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