大分商の大型右腕・平田玲翔に「ドラフト2位では獲れないかも」の声 最速152キロにとどまらない…スカウトが見た“プロ向き”の資質

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 8月8日、夏の甲子園大会第4日。188cm、最速152キロの大型右腕が聖地に姿を現した。大分商のエース・平田玲翔(れいと)だ。西日本ナンバーワンとの呼び声が高いドラフト候補だが、日本文理との初戦でスカウト陣の視線を集めたのはピッチングだけではなかった。【西尾典文/野球ライター】

“カモシカ”のような走り

 平田は6月に右肩の違和感を訴えた影響で、大分大会ではすべてリリーフで登板。5試合、17回2/3を投げて自責点1という素晴らしい内容を残し、チームを13年ぶりとなる夏の甲子園出場に導いた。

 迎えた日本文理戦。大分大会と同様に2番・指名打者で先発出場した平田に、投手の出番は早々に訪れた。大分商の先発右腕・米田泰志(3年)が初回に1点を失い、3回にも1点を追加された。なお無死一、二塁。平田はDHを解除してマウンドに上がった。

 追加点を許せば一気に試合が苦しくなる場面で、平田は全く動じなかった。150キロ台のストレートを連発し、ピンチを無失点で切り抜ける。

 以降は、新潟大会でチーム打率4割をマークしていた日本文理打線を圧倒。平田の好投に呼応するように打線が6点を奪って逆転した。8回に連打を浴びて2点を失ったものの、7イニングを2失点にまとめ、チームに29年ぶりとなる夏の甲子園勝利をもたらした。

 視察していたスカウト陣からは口々に称賛の声が聞かれた。中でも目を引いたのが、本業のピッチングとは別のところだった。セ・リーグ球団のスカウトが挙げたのは、ベースランニングである。

「走る姿が本当に素晴らしい。ストライドが長くて、よくいう“カモシカ”のような走りで見ていて惚れ惚れします。体のバネが抜群だと思いますね。それがピッチングにも生かされていて、あれだけ大きいのに跳ねるような躍動感がある。体はまだ細いので、筋力がつけばまだまだスピードも上がると思いますね」(セ・リーグ球団スカウト)

 投手として本格化する前から、野手として高く評価されていた。筆者が訪れた大分大会の明豊戦でも、平田のベースランニングにカメラを向けるスカウトが何人もいた。

俺がピンチを抑えてやるという気持ち

 日本文理戦でも脚力を生かしたプレーがあった。7回、相手のエラーと暴投で二塁まで進むと、4番・伊東大雅(3年)のレフト前ヒットで三塁ベースコーチが止めたにもかかわらず、一気にホームへ駆け抜けて生還したのだ。

 試合後、平田に聞くとこう振り返った。

「行けると思ったのと、送球が逸れることも考えて自分で判断して回りました。短距離を走ることに関しては得意なので、全速力で突っ込みました」

 相手レフトからの返球は三塁側へ大きくそれ、平田の読み通り余裕を持ってホームインとなった。

 那賀誠監督に聞くと、平田の性格を交えてこう話してくれた。

「こっちが止めても止まらない男なので。ただ、それも彼の良さだと思いますので、くどくど言わないです。好きにやれと。ただ、ツーアウト二塁からのヒットについては、外野の正面の打球でもホームまで還らないといけないということは言っていて、スタートの練習もしてきました。だから、平田は普段から僕の言っていることをちゃんとできていたとも言えます」

 さらにスカウト陣が買っているのが、平田のメンタリティだ。前出のスカウトは続ける。

「マウンドに向かう時も、俺がピンチを抑えてやるという気持ちが見えましたよね。そこから実際150キロを投げて球場の空気がガラッと変わった。初めての甲子園のマウンド、大観衆にも全く臆するようなところが見えませんでした。ああいう強さはなかなか指導者が言って身につくものではありません。そこもプロ向きだと思いますね」

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