「自衛隊員や報道カメラマンのフリをして泥棒を…」 500万円分の預金通帳を盗まれた高齢女性が明かす被害 「外出が怖くなり、避難所にも行けない」
自衛隊員や報道カメラマンのフリをして……
「自衛隊のような迷彩服を着ているのに、『わ』ナンバーのレンタカーに乗って周囲を徘徊していたり、テレビカメラのような大きな機材を担ぎ、報道カメラマンのフリをしてライトを照らし家屋を物色する。貴重品があると判断するや、仲間たちに連絡して人数を増やし、不法侵入をするという目撃談もありました」(前出の地元住民)
これらの情報はSNSを中心に若者に共有され、地域に住む高齢者にまで広まっているというのだ。虚実ないまぜの情報があふれる中で、どこまで本当の話なのか。
町内をパトロールする八代市消防団の男性によると、
「市内では家屋被害の大きかった地域で、地震当日から1日2件ほどのペースで、泥棒被害の相談を受けています。不審者について複数通報があるほか、無施錠のまま避難所などへ配給を受け取りに行ったところ、被害に遭ったという相談があります。消防団としては50人態勢でシフトを組み見回りを続けています」
地元住民の結束が固まりつつあるとはいえ、前述のように避難所に行けば“家が荒らされそうで怖い”という声は根強い。それに加えて、熊本県下の避難所はエアコンの普及率が全国と比べて低いという事情もある。
公立小中学校の体育館の冷房設置率1位は東京都で9割を超えるが、熊本県は2割前後なのだ。目下、避難所では、エアコン増設工事が急ピッチで始まったところもあるが、受け入れ態勢は万全ではないのだ。
「子供の頃を思い出して懐かしくなるし、風も吹いてくるから気持ちよかよ」
八代市内に住む津田宜治さん(78)に聞くと、
「地震のあった翌日、近所のコミュニティーセンターが避難所になっとるんやけど、入れてもらおうと行ったら、“昼間は来ないでください”“自分の家に帰って”と言われてしまってね。家は全壊、嫁さんは地震で冷蔵庫が倒れて腰を圧迫骨折したから動けない。それで仕方なく納屋にゴザを敷いて寝ることにしたんだ。こうしていると子供の頃を思い出して懐かしくなるし、風も吹いてくるから気持ちよかよ。八代は日本で一番、畳が有名な町やけんね」
昭和生まれの津田さんご夫妻が辛抱強く生き抜く中、同じ市内でも中心街にある避難所(小学校)には冷房完備の箇所も。
「困っていることは特にないですね。ベッドが配られ食事だって無料だし、広くて空調も整い、家より快適です」
と、昼から九州名産の芋焼酎「霧島」を嗜んでいたのは、40代の会社員男性。
「このお酒は近所のスーパーで買ってきました。仕事は休暇を取っているので、あと1週間くらいはここにいようと思います。自宅が築100年近いので余震が怖くて来ました。断水でトイレや水が使えないのですが、ここは仮設トイレがあるので気に入っています」
天と地ほどの格差が浮き彫りになった被災地の夏はこれからが本番。多くの被災者が心休まる日は、果たしていつになるのだろうか。
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