遂に「トランプ氏」最低支持率でも中間選挙は接戦予想…分断進む米社会、「MAGA」「民主社会主義」の共通点は“政策理解に乏しい支持者”か
共和党のMAGA=民主党の民主社会主義か
一方、民主党の状況をみてみると、トランプ氏の支持率低下が党勢の拡大につなげられていないのが現状だ。この低迷の原因は内部対立にあると言っても過言ではない。
イスラエルに対する軍事支援の停止や、政府による価格統制などを公約に掲げる急進左派が全米各地で伸長し、穏健派との亀裂が深まっている。
中間選挙の候補者を決める民主党の予備選では「民主社会主義」を掲げる候補が穏健派の候補を破る事例が相次いでいるが、米国の有権者の多くは民主社会主義の意味をあまり理解していないようだ。
ロイター/イプソスが28日に発表した世論調査で、「民主社会主義者を自認する候補者・指導者の政策と立場について、どの程度理解していると思うか」との設問に「きわめて/とても/まずまず理解している」と回答した割合が計49%だったのに対し、「あまり/まったく理解していない」は計47%となった。
興味深いのは、この回答の分布がトランプ氏の支持層であるMAGA派と似ていることだ。
MAGA派はトランプ氏個人の魅力に熱狂しているが、同氏の政策にはあまり関心がない。このことが意味するのは、民主社会主義を声高に叫び、求心力の高い候補者が民主党内に出現すれば、一気に党内がその色に染められる可能性があるということだ。
共和・民主両党がカリスマ指導者に牛耳られる状態になれば、米国政治の分断はさらに深刻になるだろう。
日本が注視すべきは米国の中東関与
筆者が注目するのは、中間選挙の結果が米国の中東政策に与える影響だ。
民主社会主義者の先駆けであるマムダニ・ニューヨーク市長が、国際司法裁判所(ICC)から逮捕状が出されているイスラエルのネタニヤフ首相が同市を訪問した際に逮捕すると発言して物議を醸したが、米国の有権者も同様の傾向であることがわかっている。
エコノミスト/YouGovが7月25日から27日に実施した世論調査で、「もしネタニヤフ氏が米国を訪れた場合、米国は彼を逮捕すべきか」との設問に49%が「はい」と回答した。「いいえ」は27%、「わからない」は23%だった。
共和党でも、イスラエル支援に積極的だったグラム上院議員が亡くなったことで、同国との関係が冷え込むとの観測が生まれている。
湾岸諸国の間で、米国のイランへの対応に不満が高まっていることも気がかりだ。ロイターは30日、中東アラブ湾岸諸国の間で、米国ではなく中国がイランに対して経済的な影響力を行使することへの期待が高まっていると報じた。
トランプ氏の場当たり的なやり方に辟易しているのだろうが、中東地域での関与を大幅に減らすべきだとの主張が米国でも今後高まる可能性は排除できない。そうなれば、原油輸入における中東依存度が依然として高い日本にとって由々しき事態だ。
唯一の同盟国である米国の今後の動向は日本の行く末を大きく左右する。引き続き高い関心を持って注視すべきだ。
[2/2ページ]

