「前のめり厳禁」「退団公演は白い服で観劇」…FNS歌謡祭で話題の宝塚、初心者が知っておきたい”暗黙の独自マナー”とは

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初心者におすすめの作品とチケットの入手ルート

 では、初めての観劇にはどんな演目を選ぶべきなのだろうか。

「『THE宝塚』を体感したいなら、休憩時間をはさんで上演される1本物の長いお芝居よりも、お芝居とショーの2本立てがおすすめ。もしお芝居が好みに合わなくても、伝統の大階段を使ったパワフルなショーを観れば一気に元気をもらえます。客席降りがあれば、目線がもらえハイタッチができる場合もあり、まさにパラダイスです」(慎さん)

 親しみやすさを重視するなら、海外ミュージカルや原作ものから選ぶ手もある。

「『エリザベート』のような名作ミュージカルや、代表作の『ベルサイユのばら』など広く知られた人気演目は入門編としてベストだと思います」(レイさん・ルミさん姉妹)。

「三國志を題材にした『RYOFU』をはじめ、『ポーの一族』や『花より男子』などの少女漫画、『シティーハンター』『るろうに剣心』などの少年漫画、さらにはインド映画の『RRR』、古典の『平家物語』まで、とても幅広く舞台化しています。好きな原作の舞台なら親しみやすく、世界観にもスッと入りやすいはず」(エリさん)

 しかし、最大の難関はチケットが取れないことだ。先行販売のある友の会などに入っていない初心者は、まず無料の「宝塚歌劇共通ID」を取得し、「宝塚歌劇Webチケットサービス」で購入する。各公演の一般前売開始日の午前10時から販売されるのが基本だが……。

「正直、人気公演の一般発売はすぐに売り切れてしまい、なかなか取れません。初心者の方は、VISAやJCBなどのカード会社や、阪急交通社といった旅行会社の貸切公演を狙うのが現実的です。あるいは、入手のつてがある身近な宝塚ファンの知り合いにお願いしてみるのも手ですね」(レイさん)

 さらにエリさんによると、兵庫県宝塚市にある本拠地・宝塚大劇場は2619席と、2079席である東京宝塚劇場より座席数が540席多く、平日公演なら比較的チャンスがあるため、思い切って遠征してみるのも選択肢のひとつだという。

「大劇場へ行くなら、年に数回受付がある『宝塚市のふるさと納税』の返礼品チケットをチェックしてみるのもおすすめです。これなら数量限定で先着順ではありますが、行きたい公演の席を確保できます」(ルミさん)

 また、いきなり劇場へ行くのはハードルが高く感じられるなら、まずは自宅などで配信を楽しむというアプローチもある。

「気になる生徒さんが出来たら、まずはU-NEXTや楽天TVでの配信、あるいは映画館でのライブビューイング(ライビュ)を活用するのも手です。観客の雰囲気も確認できますし、何より気軽に楽しめます。思い返せば、私が初めて宝塚を見たのもNHKの劇場中継でした」(エリさん)

 多くの公演は4000円程度で、家族や友人と一緒に楽しめるのも利点だ。

「推し」の成長を見守る楽しさも魅力のひとつ

 一般的な演劇ファンと、いわゆる「ヅカファン」の決定的な違いはどこにあるのか。

「完成された演劇を観に行くというより、『育てゲーのように生徒さんの成長を愛でる』のが宝塚最大の魅力です」と古参ファンは口を揃える。

「『男役10年』という言葉があるのですが、初舞台から一朝一夕で男役が完成するわけではありません。レベチな男役芸を堪能しつつも、一方で『あの若手さん、めっちゃカッコ良くなってる!』と発見する楽しさは格別です」(エリさん)

 男性ファンの慎さんも、その魅力を熱弁する。

「ジェンヌさん、お衣装、舞台装置、生演奏……。3時間だけは浮き世の憂さから解放される非日常の世界。まだまだ若く経験が少ないジェンヌさんが、スポットライトが当たらない場所でも真剣にお芝居をしている姿勢は謙虚で清々しくもあります。また、隣席の妻の目がキラキラ輝いているのを見るのも、夫としては嬉しいものです(笑)」

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