広島「ゾンビたばこ」疑惑に新展開 「広島県警本部長にも話を通したうえ」の家宅捜索の本当の狙いは

スポーツ 野球

  • ブックマーク

略式起訴か在宅起訴か

 ただ、そうやって証拠を積み重ねたとしても「現物はないけど過去に所持していた可能性はありそう」というレベルに留まる。

「やり取りされた薬物がゾンビたばこか否かを今となっては確認できない点も厄介ですね。それでもこれだけ証拠がそろうなら略式起訴(罰金刑)くらいはあり得るかもしれません。これまで球団の調査などには一貫して使用を否定してきたとされる選手が使用についてどう説明するか否かもポイントになると思いますが」(同)

 ところで、薬物事案でままあるのは「それが違法薬物だと知らなかった」という捜査対象者や重要参考人の言い逃れなのだという。

「その主張を崩すためには、デジタル・フォレンジック(犯罪の立証のための電磁的記録の解析技術及びその手続き)を活用してスマホ内のやり取りをくまなく分析する必要があります。その結果、前後の文脈から本人が違法性を認識していた、未必の故意があったことを証明できれば起訴に近づく。隠語の使用や隠蔽の痕跡があると略式起訴に留まらず在宅起訴(正式な裁判)が見えてくるかもしれません」(同)

「予想しない選手」

 広島の松田元(はじめ)オーナーは県警の捜査について「ショックが大きい。(ファンに)非常に申し訳ない気持ちで一杯。予想しない選手が出てきたので非常に驚いている。一生懸命やっている選手も疑われることが気の毒」などと涙ぐみながら謝罪したという。
前半戦を終えての主催1試合の平均観客数は2万6809人で前年同期比でおよそ4%減。12球団で最悪の下落幅となったところに追い打ちをかけるような出来事だった。

 オーナーの「予想しない選手」という表現から気になるのは、「矢野一人ならまだしも」という意味なのか、「他にまだ予想していた選手がいるのか?」という点だろう。
この件、まだ広がりを見せるのだろうか。

「今回の家宅捜査の対象は著名人なので県警本部長まで話を通しているとのことですから、形式的なものではない。羽月氏の件が結審したとはいえ、売人の公判はこれからですし県警は本腰を入れて捜査しているということです」(同)

警視庁が

「実はゾンビたばこをめぐっては関東の球団所属の人物の関与が取りざたされ、警視庁が捜査に乗り出す可能性もありました。それは立ち消えになったようですが、今回の捜索で決定的な証拠や立ち消えになったその捜査につながる証拠が出てくることへの期待も高かったはずです。一方で捜査を尽くしている姿勢をアピールするという狙いもまた警察にあったと見ています。世の中には一連のゾンビたばこ疑惑について不信感を抱いている人がまだまだ多く、FLASHの報道もあって真相究明への期待は高いですからね」(同)

 NPB(日本プロ野球)の球団は法的・制度的には民間企業の私有財産や子会社だが、地域社会への影響力は強く、文化的公共財としての役割も持つ。社会の公器としての側面が強くあることを警察は強く意識して動いたと見られる。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。