「アニメ主題歌」世界的ヒット連発なのに…誰もが口ずさめる「ドラマ主題歌」はなぜ減ったのか かつては“ミリオンセラーの登竜門”だったはずが
かつては100万枚超が当たり前
かつて、90年代にフジがヒットドラマを連発していたころ、多くのドラマ主題歌も軒並みヒットした。歴代ドラマ主題歌の売上ランキングトップ5と、起用されたドラマの組み合わせは以下の通り。
1位 「君がいるだけで」米米CLUB 289.5万枚→「素顔のままで」(フジテレビ、92年)
2位 「SAY YES」CHAGE & ASKA 282.2万枚→「101回目のプロポーズ」(フジテレビ、91年)
3位 「Tomorrow never knows」Mr.Children(ミスチル) 276.6万枚→「若者のすべて」(フジテレビ、94年)
4位 「ラブ・ストーリーは突然に」小田和正(78) 258.8万枚→「東京ラブストーリー」(フジテレビ、91年)
5位 「世界に一つだけの花」SMAP 253.3万枚→「僕の生きる道」(カンテレ・フジ、03年)
ベスト5がすべてフジの主題歌というのも時代を感じさせる。以下、ドリカム、引退した安室奈美恵さん(48)、MISIA(48)、サザンオールスターズ、宇多田ヒカル(43)、浜崎あゆみ(47)、松任谷由実(72)、B'zら、超大物たちのドラマに起用された楽曲が売上100万枚を突破している。
「昔は今と違って、主題歌として流すだけではなく、劇中で効果的に使っていました。代表的な場面だと、『101回目のプロポーズ』で主題歌が流れる中、武田鉄矢さん(77)演じる達郎が涙を流しながら、浅野温子さん(65)演じる薫に『僕は死にましぇ~~ん!』と絶叫する場面はドラマ史に残る名場面。主題歌をうまく生かして劇的な場面に仕上がっています。ここ10年以内では、あいみょんの『裸の心』(TBS「私の家政夫ナギサさん」主題歌)や、米津玄師の『Lemon』(TBS「アンナチュラル」主題歌)、星野源の『恋』(TBS「逃げるは恥だが役に立つ」主題歌)などが記憶に新しいところ。ただ、ドラマ全盛期のように、誰もが口ずさめるヒット曲は少なくなった印象です。今期、視聴率トップのTBSの『VIVANT』に主題歌はありませんが、BGMを効果的に使っています」(放送担当記者)
アーティストにとってのメリットは
時代はすっかり変わり、そもそも、若者を中心としたテレビ離れの影響などもあり、ドラマは高視聴率どころか、世帯視聴率2ケタですら高い壁となってしまった。
「売り出し中の歌手やバンドがドラマの主題歌に起用されても、数少ないゴールデン・プライム帯(午後7~11時)の音楽番組であるテレ朝系の『ミュージックステーション』自体の視聴率がふるわず、出演できる枠もそこまで多くはありません」(前出レコード会社関係者)
その代わり、現在はTikTokなどのSNSで注目を集める方が、歌手側にとっては再生回数も収益も期待できるという。
「SNSの浸透により、テレビの影響力が弱くなっていることが浮き彫りになっている現象の一つでしょう。主題歌を歌うのなら、SNSでバズったら、ドラマにも注目が集まるかもしれません。一方、ドラマ主題歌を尻目に、大ヒット曲が続々と生まれているのがアニメの主題歌です。火付け役となったYOASOBIの『アイドル』(「推しの子」主題歌)や、Creepy Nutsの『Bling-Bang-Bang-Born』(「マッシュル-MASHLE-」主題歌)は世界的なメガヒットとなりました。また、Vaundy、King Gnu、SUPER BEAVERといった旬のアーティストもこぞってアニメ主題歌を手掛けています。しかも、そうした多くの若いアーティストは、単なる宣伝目的ではなく、アニメの世界観を深く理解して曲作りに反映している。サブスクを通じてアニメ作品が世界中で認知度を広げるなか、作品と強く結びついた主題歌も相乗効果でファンを獲得しているわけです」(同前)




