“過酷な罰ゲーム”に“海外長期ロケ”…成功へのハードルは高くても「アメリカ横断ウルトラクイズ」が電撃復活した理由

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時代は変わり…

「ウルトラクイズ」が最後に放送された98年から約30年。待望の復活となりそうだが、この間に、テレビを取り巻く環境は大きく変わってしまった。

「まず大きいのは制作費。海外ロケの費用は、円安や航空運賃、宿泊費の高騰によって、30年前とは比較にならないほど膨れ上がっています。海外スタッフの人件費や警備費、保険料なども軒並み上昇しており、大人数を長期間海外へ送り込む大型企画は、民放各局にとって大きな負担になっています。さらに、コンプライアンスの問題も避けて通れません。かつては笑いとして受け入れられていた罰ゲームや過酷な演出も、現在ではハラスメントや人権への配慮不足といった批判を招きかねない。SNSでは一部のシーンだけが切り取られ、一気に炎上するリスクもあります。出演者だけでなく、制作側も細心の注意を払わなければならない時代になってしまいました」(放送担当記者)

 令和版「ウルトラクイズ」の公式サイトによると、エントリー期間は8月23日午後11時59分まで。9月12日に1次・2次予選を行い、その後、海外ラウンドへ進む予定だというが、参加者の環境も当時とは大きく変わっている。

「『ウルトラクイズ』が放送されていた時代は、会社を休んででも数週間に及ぶ海外ロケに参加することは、一種のステータスでした。しかし令和の現在、長期間仕事を休むハードルは決して低くありません。働き方改革が進んだとはいえ、出場を希望する人は有給休暇をまとめて取得できる人ばかりではなく、自営業やフリーランスにとっては長期間仕事を空けるリスクは大きい。その意味でも、どれだけ1次予選に参加者が集まるのかは、番組の注目ポイントの一つになるでしょう」(同前)

 それでも、日本テレビが約30年ぶりに「ウルトラクイズ」の復活に踏み切ったのには理由がある。

 ここ数年、民放各局では往年の人気番組を復活させる動きが相次いでいる。TBSは7月20日に「ウンナン極限ネタバトル!ザ・イロモネア~笑わせたら100万円~」を放送。日テレも昨年、「マジカル頭脳パワー!!」「THE 夜もヒッパレ」「特上!天声慎吾」「全日本仮装大賞」「速報!歌の大辞テン」など、平成を代表する人気番組を次々と復活させた。

 背景にあるのは、テレビ局がゼロから新たな看板番組を育てることが極めて難しくなったという現実だ。視聴者のライフスタイルは多様化し、Netflixをはじめとする動画配信サービスやYouTube、SNSとの競争も激しさを増している。かつてのように、新番組が国民的コンテンツへと成長するケースは珍しくなり、局側も知名度と実績を兼ね備えた過去の人気ブランドに活路を見いだそうとしているのである。

大型特番の顔

 その復活プロジェクトの顔として、白羽の矢が立ったのが櫻井だった。

 櫻井は「news zero」のキャスターを長年務め、「THE MUSIC DAY」や「ベストアーティスト」など大型特番の司会も担当。ラグビーW杯やオリンピック、選挙特番でも起用されるなど、日本テレビが最も信頼を寄せるタレントの一人だ。

「現在の日テレには、かつての福留功男さんや徳光和夫さんのような『大型特番の顔』と呼べるアナウンサーが見当たりません。その空白を埋める存在として、局の内外を問わず安定した司会力を発揮できる櫻井さんへの期待は大きい。アイドルとしての国民的知名度に加え、報道番組で培った冷静な進行力や生放送への対応力も高く評価されています。日本テレビとしては、『大型特番の顔』としての存在感をさらに高めたいという思惑もあるのでしょう」(同前)

 令和版「ウルトラクイズ」は、日テレのみならず、テレビというメディアの現在地を映し出す試金石になりそうだ。

デイリー新潮編集部

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