連覇狙う阪神に忍び寄る“雨のツケ” 中止続出でよみがえる過密日程の悪夢

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やっぱり勝負の世界ですから

 球団史上最長の13連戦が行われた2011年も、苦しい終盤戦だった。指揮を執っていたのは真弓明信監督である。

 3位・巨人に5.5ゲーム差の4位だった阪神は、10月4日の13連戦初戦でヤクルトに敗れれば、CS進出が消滅するところだった。

 崖っぷちからヤクルトに3連勝し、巨人に3ゲーム差まで迫る。その後も横浜に2勝1敗、10月10日の巨人戦にも6対3で勝利し、逆転CSに望みをつないだ。

 しかし、翌11日に巨人に3対4でサヨナラ負け。12日も1対1の延長10回に福原忍が高橋由伸にサヨナラ3ランを浴び、連敗で4ゲーム差と苦しくなった。

 残り4試合は3勝1敗と最後の追い上げを見せたが、巨人も10月14日から3連勝と譲らない。同16日、借金2で4位が決定した。

 13連戦自体は9勝4敗と勝ち越した。それでも、9月に4連敗を2度記録するなど、7勝12敗2分と失速したツケが最後まで響いた。

 真弓監督は「やっぱり勝負の世界ですから、勝たないと。それなりの戦力を預かっていて、結果が出せなかったということです」と語り、契約を1年残してチームを去った。

悪夢を繰り返さないために

 和田豊監督時代の2015年も、過密日程に苦しんだ年である。

 当初は13連戦が組まれたが、13試合目が雨天中止となり、実際には12連戦になった。9月11日に広島に敗れ、8月8日から守ってきた首位から転落。それでも、9月18日からの12連戦を前にした時点では、首位・ヤクルトに1ゲーム差の2位と、逆転優勝を狙える位置にいた。

 初戦のDeNA戦を2対3で落とすと、翌19日も5対7で敗れた。20日のヤクルト戦に敗れれば、ヤクルトにマジック19が点灯する状況まで追い込まれる。

 その20日の試合は8対1で大勝し、マジック点灯を阻止した。だが、翌21日のヤクルト戦はスクイズ失敗などの拙攻で敗れ、自力優勝が消滅する。

 和田監督は「そんなもん1日で変わる」と逆転Vに意欲を見せたが、ここからチームは4連敗。9月24日には3位に転落し、前日に急死した中村勝広GMの喪章をつけて臨んだ追悼試合も白星には結びつかなかった。

 9月25日の広島戦でようやく連敗を止め、守護神・呉昇桓が41セーブ目を挙げたのもつかの間だった。翌26日、その呉が右足内転筋を痛めて登録抹消。チームも元気なく4位・広島に連敗し、CS圏内の3位も危うくなった。

 12連戦を4勝8敗と負け越し、9月30日に和田監督の辞任が発表された。

 一時はCS進出も絶望視されたが、10月7日に広島が中日に敗れた結果、阪神は0.5ゲーム差の3位でぎりぎりCS進出を果たした。

 9月12日の広島戦で、延長12回に田中広輔が放った打球をめぐる判定が、結果的に阪神に味方した形でもあった。打球は本塁打と見られながら、判定は三塁打となり、試合は2対2の引き分けに終わった。のちにNPBは誤審を認めている。

 だが、CSはファーストステージで敗退。最後までちぐはぐなシーズンだった。

 今季の阪神は、巨人と首位争いを続けている。混戦になればなるほど、東京ドームを本拠地とする巨人との差は、日程面でも表れやすくなる。雨天中止が多い阪神は、終盤に過密日程を抱えるリスクがあるからだ。

 阪神がリーグ連覇を実現するには、秋を迎える前にどれだけ貯金を積み上げられるかが重要になる。雨で流れた12試合は、消えたわけではない。勝負どころの終盤に、まとめて戻ってくる。

 2018年の悪夢を繰り返さないためにも、夏場のうちにどれだけリードを広げられるか。雨で失った試合数は、秋になって必ず戻ってくる。その時に余力を残していられるかが、藤川阪神の連覇を左右する。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘! 激突! 東都大学野球』(ビジネス社)

デイリー新潮編集部

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