星稜の「9回9得点」を上回る衝撃も 地方大会で本当にあった“ありえない大逆転劇”

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 甲子園の記憶に残る名勝負の裏で、地方大会にはさらに荒々しい逆転劇が刻まれている。

 テレビの全国中継がなく、語り継がれる機会は限られる。そんな地方大会にこそ、本大会以上の大どんでん返しが刻まれている。8点差、9点差、さらには9回裏10得点。敗色濃厚の状況から、試合そのものをひっくり返したチームがあった。地方大会で本当にあった、まさかの大逆転劇を振り返ってみたい。【久保田龍雄/ライター】

みんなを信じ、無心で投げた

 序盤の8点差をひっくり返し、伝統の逆転劇を見せつけたのが、2004年のPL学園である。

 大阪大会準決勝、大商大堺戦。先発した3年生エース・中村圭が3回途中に6失点でKOされると、急きょリリーフした1年生・前田健太(現・楽天)も準備不足から制球が定まらず、PL学園は0対8と大きくリードされた。

 PL打線も黙っていなかった。5番・吉原尚宏の2打席連続本塁打、4番・中倉裕人主将のソロなどで反撃し、7回までに3点差に迫った。前田は回を追うごとに調子を上げ、6、7回を無失点で切り抜ける。

 そして、6対9の8回だった。

 PLは連打と四球で無死満塁のチャンスを作ると、中倉の三遊間2点適時打で1点差に迫る。さらに、この日2本塁打の吉原がチームプレーに徹し、初球を投前にバント。これが三塁悪送球を誘い、ついに9対9の同点に追いついた。

 勢いに乗ったPL打線は止まらない。この回、7連打を含む10長短打を集中し、大量12得点で勝負を決めた。

 終わってみれば18対10の大逆転勝利。8回に自ら勝ち越し打を放った“桑田真澄2世”前田は、「きっと逆転してくれると、みんなを信じ、無心で投げた」と会心の笑みを浮かべた。

 前田は延長15回引き分け再試合となった大阪桐蔭との決勝でも、前日15回を投げ抜いた中村のあとを受けて先発し、13対7で完投勝利。“持っている男”が、PL学園を2年連続の甲子園へ導いた。

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