秋田96.5%、沖縄46.3%…NHK受信料「支払い格差」を放置したまま「値上げ」は許されるのか
スクランブル化の研究を
テレビのない世帯は意外なくらい多い。世帯全体のテレビ保有率は90.3%だが、世帯主が20代の場合に限ると、その数字は約69.0%にまで落ち込む。
世帯主が30代では約85%~88%、同40代~50代で約90%~93%。ミドル世代でもテレビを持たない世帯がかなりある(内閣府「消費動向調査」2025年)。
さらに、若者はテレビがあってもリアルタイムではほとんど観ない。先月発表されたNHK放送文化研究所のデータによると、16~29歳の平日1日あたりのリアルタイムでの平均視聴時間は、約30分~1時間未満という短さだ。
テレビ離れの理由は挙げればキリがない。オンデマンドとは異なり、番組が一方的に流れてくるというスタイル自体が時代に合わなくなっている。NHK ONEやTVerによるタイムシフト視聴も可能だが、そもそも「どうしても観たい」と思わせる魅力的な番組が少ないのではないか。
NHKも民放も、視聴者の意見をほとんど聞かずに番組をつくっている点に大きな問題がある。民放はスポンサーの意見には耳を傾けるが、NHKは「出資者」であるはずの視聴者の声を、番組づくりに強く反映しているとは言い難い。
熱心に見えるのは、日本一の規模で行う連続テレビ小説などの番組PRや、利益相反であるはずのテレビ批評家との浅からぬ関係である。NHKに対して視聴者が抱く反発や冷ややかな視線は、こういった姿勢にこそ原因があると見る。
NHKがNetflixやU-NEXTのような動画配信サービスと同じく、課金している人しか観られないシステム(スクランブル化)にすれば、こうした不満や反発は一発で収まるはずだ。NHKもスクランブル化の導入をそろそろ具体的に研究し始める時期ではないか。
NHKが魅力に満ちた番組を流し、国民から信頼されていれば、スクランブル化しても組織は十分に維持できるはずだ。ちなみにNetflixは、2015年の日本上陸以降、会員数を伸ばし続け、現在は1000万人に達している。
NHK側は受信料支払いを求める法的根拠として「放送法」を挙げるが、この法律が施行されたのは1950年。朝鮮戦争勃発と同時期だ。メディア環境は当時から激変している。そろそろ「公共放送のあり方」について国民的議論をすべきだ。
議論を尽くした結果、「やはりNHKの存在は社会に絶対不可欠」という結論に至り、国民が納得したならば、イギリスのBBCのように「支払いは市民の義務」とし、未払い者には罰則を設ければいい。そうすれば受信料支払率は大幅な向上を見込めるはずだ。逆に、国民がスクランブル化を望んだら、そうするしかないのではないか。なにしろ「皆さまのNHK」なのだ。
まずは、置き去りにされている形である視聴者の声を聴くことだ。番組づくりも受信料の制度設計も、視聴者の意見をほとんど聞かずに突き進んでいるから、NHKと視聴者の距離は縮まらない。
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