体液が沁み出し、捜査官も呼吸ができないほどの腐臭…「信者6人」の死体と共同生活、主犯の「女祈祷師」と複雑怪奇な人間関係

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捜査官も呼吸ができないほどの臭い

 事件が起こった福島県須賀川市は、福島県中央部の中心都市・郡山市の南側に隣接する人口6万ほどの商業都市。市内には阿武隈川が流れ、郊外には豊かな田園地帯が広がるのどかな街である。

 江藤幸子の家は、市の中心部から東に5キロあまりの田園地帯にある。

 7月5日朝に発見された6遺体は、先のAさん一家の3人のほか、女性Dさん(45)、男性Eさん(43)、そして女性Fさん(27)の3人。いずれも女祈祷師・幸子の熱心な信者だった。

「1週間ほど前からカラスが集まり始めました。多いときは30羽ぐらいでしょうか。江藤さんの周りの家の屋根にとまって、じっと江藤さんの家の一点を見ているんです。気持悪かったですよ。なにか魚の腐ったような臭いがして、ドブが臭いのかと思ってドブさらいもやったんです。カラスには死臭だとわかっていたんですね……」

 とは、近所の住民。取材に当たっている地元記者もいう。

「現場は腐乱死体とミイラ化した遺体が1階8畳間に整然とふとんの中に横にされていた。体液がふとんや畳に沁み出し、ふすまを開けた途端、捜査官も呼吸ができないほどの臭いだったそうです。こんな家で何人もの人間が共同生活をおくり、しかも子供たちは学校に通っていたというんですから、さすがの捜査官たちも言葉を失っています」

 変り果てたDさんの亡骸に対面した知人がいう。

「あれが本当にDちゃんだったのか、私ら今でもわからんですよ。身長が160センチ以上あって太っていたDちゃんが、棺桶の中で身体を包帯でぐるぐる巻きにされて幅が20センチほどに縮んでいたんです。髪は抜け落ち、眉毛は白く、鼻はなくなっていた。顔の真ん中に穴があいているだけなんです(後略)」

事件を解くカギは「複雑な人間関係」

 凄惨極まりないこの事件発覚のきっかけは、殺された男性Eさんの妻・G(33)が“浄霊”と称して、太鼓のバチやら棍棒で殴る蹴るの暴行を受け、全治2カ月の重傷を負って入院したことだった。彼女の証言によって、須賀川署が傷害容疑で江藤宅に踏み込んだのである。

「その場で、江藤幸子と死んだ女性Dの夫・H(45)、そして元自衛官の男I(21)、最近嫁ぎ先から出戻ってきた幸子の長女・J(23)のあわせて4人を傷害容疑で逮捕したんです。Aさん夫妻の2人の娘とDさんとHの息子は“保護”されました」(同)

 この信者たちの人間関係を説明するのは少々、骨が折れる。捜査関係者によると、

「Aさんの妻・BさんとHの妻・Dさんは姉妹です。Bさんが最初に幸子の信者になり、あとを追ってDさんが入っていった。この地方ではこうした祈祷師が信じられる風潮があって両家も家族の健康問題がきっかけで、幸子に浄霊を受けにいくようになっている。“あなたには蛇がついている”とか“狐がついている”、あるいは“前世の因縁”と来るんですから、こういう迷信を信じやすい人にとっては恐怖ですよ。男性Eさんの家も同様だし、Eさんと職場で上司と部下の関係にあった女性Fさんも、誘われて同じように入っていったようです」

 そして、この複雑な“人間関係”こそが事件の謎を解く最大の鍵だったのである。

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「彼女はすぐ霊が降りやすいタイプなんだそうです」――。第2回【「あなたと私は恋愛関係になる運命」…信者6人の命を奪った「女祈祷師」の“色と欲” 暴力的な“御祓い”のきっかけは「21歳の元自衛官男性」】入るでは、江藤幸子の生い立ちやその後の裁判などについて伝える。

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