「今年は箱罠に全くクマがかからない…」 クマ被害が相次ぐ秋田県で囁かれる「明らかにクマが賢くなっている」 おびき寄せる“餌のスイカ”だけが消えることも

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クマが賢くなっている

――町民からはクマ対策に関して、どんな要望が寄せられているのでしょうか。

佐々木:捕獲駆除を進めてもらいたいということで、箱罠の設置依頼が多くなっています。ただ、今年に入って、羽後町では捕獲駆除頭数がゼロなのです。クマの警戒心が強くなっているだけでなく、どうやら箱罠の構造を理解したクマが出現し始めているんですよ。

――それはどういうことですか。

佐々木:罠にかからないということです。クマをおびき寄せるために箱罠の奥に置いてあるスイカだけが食べられているんですよ。クマはスイカを手前に引き寄せ、食べて逃げてしまうのです。

――驚きです。クマはかなり賢いですね。

佐々木:猟友会の方からこの話を聞いたのですが、私も心底びっくりしました。おそらく、親グマが箱罠にかかったことを知った小グマは、構造を理解して、奥まで入らなくなっているのではないかと。これから先、クマの捕獲はかなり難しくなりそうです。人間とクマの知恵の出しあいになるのではないかと思っています。

観光への影響はほとんどないが……

――秋田県は、夏休みにかけて観光シーズンに突入し、「竿灯」「大曲の花火」などの伝統行事が多数開催されます。羽後町は8月に日本三大盆踊りに数えられる「西馬音内盆通り」が行われますが、クマ問題による観光面への影響はみられますか。

佐々木:今年の西馬音内盆踊りは8月16日から18日までの開催で、日、月、火曜と平日が多めです。そのため、西馬音内盆踊りの桟敷席(有料座席)の予約状況は、例年より若干少なめではありますが、極端に減少しているわけではないので、前年並みとみています。クマの影響はないといえるでしょう。

 ただ、観光客のみなさんを安全に会場へと誘導しなければいけません。会場周辺には駐車場が少ないため、観光客のみなさんは少し離れた公共施設などに車を停めて、市街地へ徒歩で向かう形になります。

 人通りの多いところなら過度な心配は不要ですが、薄暗くて人通りが少ない、緑の多い場所を通る場合は不安でしょう。クマが知らず知らずのうちに近寄ってきて、事件、事故に繋がったらたいへんです。クマ除けの音楽を流すなどの対策を検討しています。

ぜひ羽後町へお越しください

――何かとネガティブな話題ばかりが全国ニュースになってしまう秋田県ですが、魅力的な伝統芸能、そして優れた食文化の宝庫でもあります。最後に、羽後町の観光PRをお願いできればと思います。

佐々木:「道の駅うご」が2016年7月にオープンしてから、今年で10周年を迎えました。先日、10周年を祝うイベントが行われ、多くの方にお越しいただきました。

 道の駅は名物の西馬音内そば、岩手県のジェラート屋さん「松ぼっくり」から伝授されたジェラートがウリになっています。館内では新鮮な野菜や加工食品なども提供していますし、県内でもトップクラスの人気を誇る、10年連続で右肩上がりの道の駅です。

 スイカのシーズンが到来しています。羽後町は県内でも有数のスイカの宝庫。そして、秋にはおいしいあきたこまちが収穫されるコメどころでもあります。ぜひ、多くの皆さんに羽後町へお越しいただけると嬉しいです。

第1回【「山林から離れた地域でも目撃情報が」…秋田県羽後町長が明かす「クマ被害」激増の背景「LINEや防災メールで出没状況を伝えています」】では、クマが多く出没する秋田県羽後町の佐々木康寛町長に、最新のクマの状況や、対策について、具体的に話を伺いました。

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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