「反高市」の狼煙? 小渕優子氏の辞任劇で「党内抗争になる可能性も」 周囲は「念頭にあるのは亡き父親のことだろうなと」
【全2回(前編/後編)の前編】
果たして反高市の狼煙(のろし)なのか、ポスト高市への布石か……。一人の女性議員の決断に永田町ではさまざまな臆測が飛び交う。高市早苗首相が切望する「消費減税」を巡って大混乱の自民党税制調査会で起きた辞任劇。背景には政界サラブレッドならではの憤激があった。
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一強を誇る高市首相に対して、身内が公然と職を辞する形で盾を突いたのは初めての例といえよう。自民党内では一途で従順と評判だった小渕優子元選挙対策委員長にとっても、それは四半世紀の政治家人生で初めての“反抗”となった。
自民党の数ある調査会の中でも、日本の税のあり方を決めるなど絶大な権限を持つとされるのが税制調査会。その非公式幹部会合メンバー、通称インナーの一員で副会長を務める小渕氏が、突如として辞任の意向を示したのである。
6月25日、テレビ東京が独自に“小渕税調辞任”を報じたことを受けて、税調会長の小野寺五典(いつのり)氏は記者団に「慰留している」と事実関係を認めた。
政治部デスクによれば、
「辞任報道が出た日、小渕氏は懇意にしている連合の芳野友子会長、東京都の小池百合子知事、それに先輩議員として慕う野田聖子衆院議員らとの会合に参加しました。定期的に集まるメンバーで、今回も以前から予定が決まっていたそうですが、高市首相とは一定の距離を置く女性政治家らが集まったことで、政治記者たちの間で話題となりました」
小渕氏の心情は……
こうした話を耳にして腰を抜かしたのは、自民の同僚議員たちだった。
党内の閣僚経験者が言う。
「今の自民は、高い支持率を保つ高市総理にモノ申せない状況にありますが、税調インナーを自ら辞することは明確な“NO”の意思表示。とても勇気のある行動だと評価したい」
歴代内閣で閣僚を歴任したベテラン議員に聞くと、
「小渕先生の行動は、党内の風向きを変えるかもしれませんね。後に続く人もいるでしょう。今後、内閣支持率の低下と反比例して、徐々に徐々にと数は増えるでしょう。党内抗争になる可能性もなきにしもあらずだと思います」
「勇気のある行動」「党内抗争」など、何やら物騒な言葉が飛び交うありさまなのだ。
小渕氏が代表を務めるいくつかの議連で事務局長を担う大岡敏孝元環境副大臣は、彼女の心情をこう代弁する。
「小渕先生は日本のためには財政再建が必要との立場で、未来の子どもたちに負担を残さないという信念をお持ちです。今の税調で居場所がなかったのではとの指摘もあるようですが、私は逆に捉えています。なかなか税調で議論していても外には伝わらない。そこで小渕先生は身を挺して、安易な消費減税の危険さを伝えたかったのだと思います。自分がどうのこうのというよりは、思い切った行動を取ることで、国民の皆さんに警鐘を鳴らしたのではないでしょうか」
まさに小渕氏が税調からの離反を決意したタイミングは、消費減税の具体案について、野党はもとより自民党内からも批判の声が上がり大混乱に至る時期と重なっていた。
政治部デスクの解説。
「先の衆院選で、高市首相は食料品に限り2年間は消費税を0%にすると明言しています。選挙後、彼女の肝いりで発足した超党派の国民会議で検討を始めたところ、0%にするためには量販店などのレジシステム改修に1年かかることが分かった。高市氏の意を受けた小野寺氏としては、なんとしても秋の臨時国会で法案を成立させ、来年4月には消費減税を行いたい。妥協案として、改修が5~6カ月で済む1%の税率で消費減税を実施して、残りの国民負担分を総額6000億円前後の給付金で補う。実質的に0%とする奇策を編み出したのです」
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