「児童ポルノ人形や凶器まで…」 パリの「シーイン」1年たたずに閉鎖の裏側 「世界的ブランドは次々にビルから撤退」

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児童ポルノ人形や凶器

 ただ、シーインは深刻な問題を抱えていた。在仏ジャーナリストが解説する。

「フランス当局から“欺瞞(ぎまん)的な商慣行”“オンラインクッキー規制違反”“製品安全性とコンプライアンス義務違反”などの法令違反が指摘されていたのです」

 具体的には、コピー商品の販売や商品の安全性の欠如、下請け業者の劣悪な労働条件、二酸化炭素排出による環境破壊だ。

「シーインに科された罰金は合計2億1000万ユーロ(約390億円)。加えて、国内の通販会社やアパレル企業からなる12の業界団体、100を超えるブランドが不当競争の是正を求めて提訴していました」(同)

 そして昨年11月には、同社サイトのマーケットプレイスで児童ポルノ人形や凶器が出品されていたことが判明。およそ10人の購入者が逮捕され、政界が問題視する騒動に発展した。

「他のテナントの対応は素早く、イメージ低下を恐れたクリスチャン・ディオールやゲラン、アニエスベーといった世界的ブランドは、シーインの入居と入れ替わるように撤退した。大衆向けブランドも追随し、BHVには空き店舗が目立つようになってしまった」(同)

 テナント数は、以前の5分の1まで激減したという。

「建物内には閑古鳥が鳴き、七つのレジのうち一つしか稼働していない店舗も。エスカレーターの一部が停止したままで、清掃業者が入っている様子もありません。従業員らはトイレットペーパーを持参しているとか」(同)

 ようやくBHVは「シーインを入れたのは誤りだった」と認めたが、信頼回復への道のりは険しそうだ。

週刊新潮 2026年7月9日号掲載

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