安倍元首相暗殺事件から4年 引責辞任の「元奈良県警トップ」は今 「陰謀論者からの深刻な誹謗中傷で…」再就職先の関係者が語る
再就職先と誹謗中傷への悩み
再就職したのは22年12月。64年前に大阪市で創業した不動産会社「HESTA大倉」に入社し、会長室室長を任された。24年6月には社長となり、その3カ月後に代表取締役にも就任した。
ところが商業登記簿によれば今年3月、代表取締役の座を退いている。
「昨年末に鬼塚さんは体調を崩して“少し休みましょう”となったんです」
とは、ヤクルト、巨人などで活躍した元プロ野球選手で、現在は彼の後任として同社の代表取締役社長を務める広澤克実氏(64)だ。
「山上徹也被告の裁判が始まって以降、鬼塚さんへの誹謗中傷がひどくなったそうで、本人はそのことで悩んでいました。陰謀論者から“山上氏は銃撃事件の犯人ではない。にもかかわらず、なぜ逮捕したんだ”などといわれのない非難を受けていたといいます。中には鬼塚さんの自宅に押しかけてきた人物もいたとか。体調が悪化した一因には、深刻な誹謗中傷問題があったと思います」(同)
「エリートの鬼塚さんには……」
HESTA大倉は従業員数が約1200名。不動産事業やリゾートホテルの運営などを手がけてきた。近年は太陽光パネルも販売する。
関西地区では毎年夏、甲子園での高校野球が放送される合間に同社のテレビCMが流れることで有名だ。鬼塚氏は社長として一昨年、当時は専務だった広澤氏と共にCMに出演した。
「ウチの会長が鬼塚さんに“出てください”と、お願いをしたんです。われわれの出演についてはお世話になっている方々から温かい応援をいただいた一方で、批判の声も聞こえてきました。あの頃、鬼塚さんはお元気に見えましたが、すでに誹謗中傷は始まっていたのです。私のような汚いやじを浴びて生きてきたスポーツ選手とは違い、エリートの鬼塚さんにはこたえていたのかもしれません」(広澤氏)
広澤氏によれば、鬼塚氏は真面目な性格で仕事も優秀だったという。
「浮ついたところが全くなく、裏表もありません。食事をしながら長野五輪で警備を担当した時のご苦労など、貴重な話をたくさん聞かせていただきました。有名人だからといって“お飾り”ではなく、常に現場に赴き、一生懸命営業にいそしんでいた。まだわが社に籍が残っていますし、早くご体調が回復することを祈るばかりです」(同)
人柄や能力は評価されながらも、重い十字架を背負うことになった鬼塚氏。数奇な人生は今なお続く。
[2/2ページ]


