永野芽郁の一件から1年余り…「何も学んでいない」の見方も 江頭2:50はなぜ再び女性に“問題行動”をとったのか

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YouTubeで成功も

 また、江頭は以前よりも広い層から愛されるようになったからこそ、批判されやすくなっている面もある。彼は2020年にYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」を立ち上げた。そこでは、テレビではほとんど映されなかった彼の素顔が見えるようになった。

 さまざまな企画に体当たりで挑んでは一喜一憂し、スタッフと冗談を交わし、失敗すれば落ち込み、若者には真剣な言葉で励ましを送る。かつて「嫌いな芸人」「抱かれたくない芸人」の常連だった江頭は、実は不器用で純粋な人物だということが明らかになり、ファンが急増した。

 YouTubeの活動は江頭にとって大きな成功だったのだが、そこには負の側面もあった。本人が昔と変わらず過激なことをやっているつもりでも、そこに他人を傷つけるような要素が含まれているように見えると、今までよりも過敏に反応されるようになったのだ。「本当は優しい人」「筋を通す人」と思われているからこそ、問題行動を起こしたときにファンが「裏切られた」と感じてしまう。

 もちろん、今回のトラブルの責任を江頭一人に負わせるべきではないだろう。番組スタッフが江頭をカメラの前に呼び込み、何らかの暴走が起きることを期待していたのだとすれば、テレビ局にも責任の一端があることになる。ただ、常識的に考えて、江頭が女性アナに抱きつくことをテレビ局側が初めから許容していた可能性は低い。江頭本人の責任は免れないだろう。

 江頭のように過激な芸風を売りにする芸人が存在すること自体に問題はない。ただ、他人を傷つけたり、迷惑をかけたりするようなことがあれば、それは今の時代にはいかなる理由があっても許容されることはない。江頭2:50がこれからも伝説的な存在であり続けるためには、時代の変化を拒むのではなく、誰かの尊厳を踏みにじることなく秩序を破壊する、新しい暴走の形を見つけなければならないだろう。

ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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