2026年ドラフト戦線はどう動くのか スカウトの声で探る“最新勢力図”

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 10月のドラフト会議に向けて、各球団の視察は徐々に熱を帯びてきた。

 高校、大学、社会人それぞれに注目候補はいるが、今年は例年以上にカテゴリーごとの濃淡がはっきりしている。大学生投手に有力候補がそろう一方、野手は全体的に候補が限られ、高校生の進路選択も多様化している。2026年のドラフトはどのような展開を見せるのか。スカウトの声から、現時点での勢力図を探った。【西尾典文/野球ライター】

ストレートにスピードガン以上の力

 今年の大きな傾向は、大学生投手に有力候補がそろっている点だ。右投手では鈴木泰成(青山学院大)、宮原廉(近畿大)、角田楓斗(富士大)、仲井慎(駒沢大)、馬場拓海(日本体育大)、左投手では米沢友翔(関西大)、渡辺和大(慶応大)、有馬伽玖(立命館大)、星野世那(大阪商業大)らの名前が挙がる。いずれも6月20日から行われた侍ジャパン大学代表選考合宿に招集され、会場となったバッティングパレス相石スタジアムひらつかにはNPB12球団に加え、MLB球団のスカウトも視察に訪れていた。

 中でも現時点で評価が高いのは、鈴木、宮原、米沢の3人である。視察したNPB球団のスカウトはこう話す。

「鈴木、宮原については、ボールの勢いと精度の両面で一歩抜けている印象ですね。ストレートにスピードガン以上の力があって、逆球も少ない。体の使い方も上手く、筋力がついてくればまだまだ良くなると思います。米沢は大学選手権での疲れもあって、この合宿では本調子ではありませんでしたが、それでも空振りが奪えてコントロールも安定しています。左投手が欲しい球団は高く評価するでしょう」(セ・リーグ球団スカウト)

 3人は合宿中に行われた紅白戦で好投し、順当に侍ジャパン大学代表に選ばれている。7月に台湾で行われる国際大会での投球にも注目が集まりそうだ。

上位指名があってもおかしくない

 一方、大学生の野手を見ると、昨年3球団が競合した立石正広(創価大→阪神1位)のような目玉候補は見当たらない。1位指名の可能性が高い選手を挙げるなら、渡部海(青山学院大・捕手)だ。智弁和歌山では2年夏に甲子園優勝を経験。青山学院大では今春こそ優勝を逃したものの、1年春から3年秋までリーグ戦6連覇、日本一4回の実績を誇る。安定した守備と長打力のある打撃を備えており、侍ジャパン大学代表では昨年から正捕手を務めている。

 捕手ではもう一人、前嶋藍(亜細亜大)が存在感を増している。横浜隼人時代から関東では評判になっていた選手で、亜細亜大では2年秋から正捕手に定着。昨年の日米大学野球選手権では渡部とともに代表メンバー入りを果たした。東都大学野球を担当するスカウトは、前嶋をこう評価する。

「肩に関しては、間違いなくアマチュアでもナンバーワンです。昨年までは少し力任せでコントロールがばらついていましたが、今年はかなり安定してきました。投手への声掛けやタイムを見るタイミングもよく考えています。打撃は渡部ほどではありませんが、スタンドまで運ぶ長打力があって勝負強い。捕手を優先する球団なら上位指名があってもおかしくないと思います」

 近年は大学生捕手がなかなか指名されない年が目立った。ただ、今年はルーキーの小島大河(明治大→西武1位)がいきなり活躍している。小島の活躍は、渡部、前嶋にとって追い風となりそうだ。

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