ウクライナが「ロシア製兵器の弱点」を公開…プーチン大統領が頭を抱える戦争への影響以上の“大打撃” 中国や北朝鮮が狼狽している可能性も
ロシアの軍需産業に痛手
トロフィー・ラボのデータをフル活用すれば、最前線のウクライナ軍はロシア軍兵器の弱点を把握した上で戦うことができる。
だが、ラボのデータがもたらす恩恵はそれだけではない。ロシアの軍需産業に大打撃を与える可能性もあるというのだ。
「ロシアは世界有数の武器輸出国で、軍需産業は国の基幹産業と言っても過言ではありません。ストックホルム国際平和研究所の公表データによると、ロシアは長年、アメリカに次ぐ世界2位の武器輸出国でした。ところがウクライナ侵攻が始まると兵器を輸出に回す余裕を失ってフランスに抜かれ、ここ数年は3位が定位置になっています。ところがトロフィー・ラボの誕生により、NATO加盟国などはロシア製兵器の弱点を把握してしまいます。弱点を複数の国家が共有している兵器を買いたいと思う国はないはずです」(同・軍事ジャーナリスト)
ロシア製の戦車を見てみよう。1975年に生産が開始されたT-80、91年に正式採用されたT-90はウクライナの最前線に投入され、相当数の車両がウクライナ軍に鹵獲された。そのためトロフィー・ラボにはT-80とT-90に関する詳細な性能データが公開されていると考えられる。
日本が車を世界中に輸出しているように、ロシアにとってT-90は主力の“輸出商品”だ。インドやアルジェリア、イラクやシリアといった国がライセンス契約を結んで製造したり、購入して自国の軍隊に配備したりしている。
戦車T-14のジレンマ
「しかしトロフィー・ラボが運用されることで、T-90の弱点を多くの国が把握する可能性が出てきたわけです。となるとT-90を購入・配備しようとする国は著しく減少するでしょう。一方、ロシア軍の最新型戦車は2015年に初めて公開されたT-14です。T-14は鹵獲されていないので、ラボにデータは公開されていないと考えられます。ロシア軍にとってT-14は大切な虎の子で、一部はウクライナの最前線に送られたものの、すぐに鹵獲を恐れて引き上げられました。戦場では使い勝手が悪かったという情報もあります。いずれにしてもロシア軍はT−14の性能が筒抜けになるリスクこそ回避しましたが、実戦で実績を上げていない兵器は基本的に武器市場で評価されません。もしロシアがT-14を輸出したいのならウクライナの最前線に派遣する必要がありますが、鹵獲されてしまうと商品価値を失ってしまいます。このジレンマをロシアが解決できるとは思えず、いわば“詰んだ”状態なのではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)
プーチン大統領が真っ青になって不思議ではないわけだが、実は中国と北朝鮮にとってもトロフィー・ラボは深刻な懸念材料になるという。
世界各国の軍隊が使う兵器は「アメリカ軍ルーツ」と「ロシア軍ルーツ」に大別されるという点がポイントだ。
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