100種を超える「ロシア兵器」機密データが丸裸に…プーチン大統領を追い込むウクライナ「軍事史上初のプロジェクト」 新品同様の兵器が敵国に渡ったロシア軍の致命的欠陥とは

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 6月19日、ウクライナのフェドロフ国防相は「トロフィー・ラボ(Trophy Lab)」の開設を発表した。「トロフィー」は「戦利品」と訳されることが多いが、ここでは「鹵獲品」が適切だろう。「ラボ」は「研究室」なので直訳すると「鹵獲品研究室」となる。一体、何の研究をしようというのか。軍事ジャーナリストは「ウクライナによる史上初、前代未聞のプロジェクトであり、世界中の軍事関係者が大きく注目しています。ロシア軍はもちろん、何よりもプーチン大統領が窮地に立たされたと考えて間違いないでしょう」と言う。(全2回の第1回)

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 軍事ジャーナリストは「ロシア軍がウクライナに侵攻して以来、ウクライナ軍はロシア軍の兵器を大量に鹵獲してきました」と言う。

「妨害電波で墜落させたロシア軍の偵察型、自爆型など各種ドローンや各種ミサイル、乗り捨てられた戦車のT-80やT-90、撃墜された戦闘機のスホーイ35などをウクライナ軍は戦場から回収しました。戦争において敵軍からの鹵獲品は軍事機密の入手が期待できる、文字通りの“宝の山”です。どんな部品が使われ、どう組み立てられ、どれくらいの攻撃・防御能力を持っているのか、弱点はどこか、専門家が徹底的に調査・分析します。ただし、これだけなら軍事史上、何度も繰り返されてきたことです。ところがウクライナは得られたデータを包み隠さず公開し、同盟国と共有するという前代未聞のプロジェクトをスタートさせたのです」

 もちろん最高レベルの軍事機密のため、誰でもアクセスできるというわけではない。希望者を募り、厳密な審査を行って許諾の可否を通告する。

 ウクライナ国内の軍事産業、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の政府や軍事関連組織は許諾を得ると考えられている。一方、ロシア、中国、北朝鮮といった対立関係にある政府や関係機関は完全に排除する。この3カ国は偽装した軍事研究機関などを設立して申請する懸念があり、徹底的な審査を行う構えだ。

AIでも活用する可能性

 トロフィー・ラボでは100を超えるロシア製兵器の図面、電子基板の回路図、装甲の材質などが公開されている。

「いずれも“超”が付くほど貴重な軍事機密です。例えばT-80やT-90の走行スピードや装甲の強さといった基本データは推定値ではなく、正確な測定値を手に入れたわけです。内部の構造を図面化すれば弱点が分かります。ロシア軍の戦車を破壊する対戦車ミサイルの開発に大きく寄与するでしょう。偵察型、自爆型など各種ドローンやミサイルに対する妨害・誘導電波の性能も大幅に向上すると考えられます。また最前線のウクライナ軍指揮官にも朗報でしょう。戦車の砲弾やミサイルの有効射程距離が分かるわけですから、戦場のどこが安全で、どこが危険なゾーンか簡単に判断できます。さらにウクライナ軍は作戦の立案にAIをフル活用しています。鹵獲品から得たロシア軍兵器の性能データをAIに移植すれば、作戦の成功率は向上し、ロシア軍に大きな損害を与えることが期待できます」(同・軍事ジャーナリスト)

 トロフィー・ラボのデータは戦場以外でもロシアを苦しめることになるだろう。例えば鹵獲品の調査からロシア軍が兵器に使用した西側ICチップの型番が判明しており、その型番はラボで公開される。つまりロシアが制裁をすり抜けて入手したICチップが明らかになったのだ。

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