「虚偽のビザで日本に来る中国人が大量に…」 たった数万円でビザ取得をサポートする業者が 「二段ベッドに何人も押し込められて、低賃金で働かされるケースも」

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申請内容とは異なる仕事に

 今回は、ベビーシッターを専門職向けの〈技術・人文知識・国際業務〉、いわゆる〈技・人・国〉の在留資格で申請したことが問題になっている。

 大阪で中国などアジア圏から来日する外国人の就労支援を行う、行政書士の古田誠司氏が解説する。

「基本的には、家事使用人やベビーシッターの就労で下りるビザはありません。高度専門職のビザで在留資格を得た人であれば、原則1人だけ家事使用人を呼べる制度があるのですが、収入などの要件があり、いずれにしろ簡単に呼べる仕組みではないのです」

 そこで〈技・人・国〉ビザの出番である。

「〈技・人・国〉で申請しておいて、実際には申請内容とは全く異なる仕事に就くことはよくあります。例えば工場労働や飲食店、そしてリサイクル業者が多いですね。盗品の銅線を買い取って海外に輸出する、“ヤード”を拠点としたビジネスを手がける人たちや、解体工、鉄くず業者にも〈技・人・国〉で訪日しているパターンが一定数ある。クラブやマッサージ店で働いている外国人も同様です」(同)

 ほかに15年からスタートした〈経営・管理〉ビザで来日する手もある。昨年10月に厳格化したが、近年のこのビザによる在留外国人の数はおよそ4万人。そのうち約半数が中国人だという。

「以前は、500万円の資本金を持っていることが条件でしたが、それくらいなら出せる中国人が徐々に増えてきました。中には、例えば貿易業を営んでいるといっても、商社のようなものではなく、デパートやドラッグストアで買った商品を中国の客に送る、という仕事もあります」(同)

 そして、怪しげな仲介業者についても警鐘を鳴らす。

「“お客さん紹介するから紹介料をくれ”“いくらで経営・管理ビザを取れるのか”と、私に近づいてくる中国人はたくさんいる。私の名前をかたった中国人から、数百万円をだまし取られた中国人もいました」(同)

ボロボロの二段ベッドに何人も……

 悪徳ブローカーによるあっせんの実態はいかなるものか。

「月に20万円以上もらえるはずが、実際には10万円しかもらえず、ボロボロのアパートの二段ベッドに何人も押し込められる。このように、聞いていた話とまったく違うということも少なくない。耐え切れずに逃げ出す人も後を絶ちません。逃げ出した人は何をしているのか。私が聞いたのは、田舎で畜産関連業に就いているというものでした。機械化ができず、田舎だから入管関係者も来にくく、日本語ができなくてもこなせる仕事だったのでしょう」(古田氏)

 古田氏によると、藍沢容疑者の件は、ビザにまつわる不正の“氷山の一角”。この一端が明らかになったことが、せめてものけがの功名か。

週刊新潮 2026年7月2日号掲載

特集「Nスぺ『潤日の肖像』は慌てて消去 NHKが逮捕の『中国出身ブローカー』を大々的に紹介していた」より

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