「化け物みたいに絵が上手かったですね」…人気アニメーター「斎藤敦史氏」が明かす「京アニ時代」の大先輩 「唯一無二」と絶賛する「釣り漫画のレジェンド」も
しっとりした雨の日が好き
――斎藤さんはアニメーターのなかでも、積極的に同人活動を行っている方だと思います。
斎藤:同人誌って誰から何も言われない、怒られないのがメリットです(笑)。仕事の絵と違って自由に描けるのが魅力的なんですよ。仕事がアウトプットだけになってしまうと絵が固くなってしまうので、趣味でも絵を描ければと感じます。それに、同人誌即売会の会場で交流するのも好きですし、雑談のなかでパワーをもらうのも目的になっています。
――斎藤さんは仕事では明るい絵が多いですが、同人誌では情緒的な絵を描いていると思います。同人サークル名も「あめがすき」ですし、どちらかというとしっとりしているイメージがありますね。
斎藤:実は、好きな絵を描くと暗い感じになるんです。おっしゃる通り、情緒的なものが好きなんですよ。実際に雨という天気がめちゃくちゃ好きで、理由は落ち着くからです。室内にいても、外にいても、雨の日ってヒーリング感があるのです。雨の日に公園にいくのも好きで、「雨が嫌い」という人の気持ちがわからないくらい。
まあ、確かに雨は傘が必要だし、濡れるので、めんどくさいですけれどね(笑)。
――ははは。私はそんな斎藤さんの雨の描写が好きです。
斎藤:個人的には雨の描き方みたいなのはまたチャレンジしたいですし、画力の上でも課題だと思います。以前から雨をテーマにしたイラストを載せた同人誌を考えていましたが、幸いにも1冊出せたので、仕事の合間を縫って2冊目も出したいですね。
――このたび発売される画集も「あめゆらげ」というタイトルです。
斎藤:タイトルはいろいろどうしようかと悩んだのですが、同人サークルが「あめがすき」ですし、ふらふら、ふわふわしている“くらげ”のように生きたいと思っています。雨とくらげの浮遊感を掛け合わせたタイトルですね。
――画集が出るのは、これまでの仕事を振り返る意味でも大きな機会だと思います。最後に、斎藤さんが今後描いていきたい絵、また、「好きに描いていい」と言われたら描きたいものなどあれば教えてください。
斎藤:空気感、感情などを落とし込んだ絵を追求していきたいと思っています。雨に限らず、繁華街の雑踏の感じとか、カレーが美味しいとか……絵のなかに描かれていることを、見た人が体感できるような絵を描きたいですね。
あと、僕の仕事といえば、女の子のキャラのイメージが強いと思います。そこから離れたものにも積極的に挑戦して、仕事の幅を持たせていきたいですね。
第1回【「プリキュア」「ラブライブ!」の人気アニメーター「斎藤敦史氏」のデザイン哲学 目指しているのは「少ない線でも印象に残るキャラクターデザイン」】では、人気アニメーター・斎藤敦史氏に、キャラクターをデザインする際に心がけていること、影響を受けたアニメーターなどについて伺っています。
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