「殺害指示を伝えただけ」「他人の犯罪を手伝っただけ」…「宝島さん夫妻殺害事件」初公判で飛び出た「指示役」「仲介役」驚きの弁明 実行犯たちの衝撃の報酬額とは
「他人の犯罪を手伝っただけ」
一連の計画は終始ずさんである。こうして報酬の受け渡しが終わった頃、夫妻の遺体が発見されたことが報じられるや否や、関根被告は佐々木被告に対し「実行役を出頭させて指示役の存在を隠すように」と命じたのだ。佐々木被告からこれを伝えられた平山被告は、実行役2人に連絡を取り、若山被告の住む千葉県で落ち合う約束をしたが、2人に飛ばれてしまう。そのため平山被告はみずから出頭。佐々木被告はこのとき、平山被告のスマホを没収し「自分の名前は出すな」と口止めしたという。
今回の公判では、佐々木、平山両被告の果たした役割について、それぞれの弁護側は以下のように主張している。まず佐々木被告の弁護人は公訴事実を認めながらも、「橋渡し役にすぎない」と訴えた。
「殺害には関与しておらず、実行役とは接点すら持っていない。実行役を動かしたのは平山で、佐々木さんは橋渡し役にすぎません。佐々木さんは関根の意思を下流に伝達する一区間でしかない。動機も存在しない。報酬を目当てにしていた他の共犯と異なり、報酬は一切もらっていない。加担したのは関根からの命令」(佐々木被告の弁護人による陳述)
一方、平山被告の弁護人は「他人の犯罪を手伝ったに過ぎず共同正犯ではなく、ほう助犯にとどまる」と主張。自ら交番に出頭していることから自首が成立し、刑が減軽されるべきだと訴えた。また佐々木被告から受け取った報酬入りのバッグには本来1400万円が入っているはずが「数えたところ1320万円だった」とも主張。佐々木被告による抜き取りを匂わせている。
自ら用立てた金によって…
この多額の報酬がどのように準備されたかも初公判では明らかになった。前田亮被告(36=逮捕当時。殺人などで逮捕)は宝島さんから店舗用物件の仲介を依頼されており、2024年1月、サンエイ商事から前田被告の会社口座へ約4677万円の契約金が振り込まれていた。ところが前田被告はこの金を実際の契約支払いに充てずに放置。4月上旬になり前田被告から物件所有者に対し「宝島さんの体調不良」として契約延期を申し入れ、契約を白紙にしたが、預かったお金を返金せず所有していた。
事件直前、前田被告はこの口座から1800万円を引き出し、殺害や遺体処分の報酬とその他の費用として準備したという。新たな店舗のために用立てた金によって夫妻は命を奪われたのだった。佐々木・平山両被告の公判は7月に判決が予定されている。
【前編】では、被告らのずさんな犯行計画と、残虐な殺害態様について述べている。
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