延長コードで首を絞め、ハンマーで頭を連打し…初公判を迎えた「宝島さん夫妻殺害事件」 “完全密室”で行われた残虐犯行の一部始終
ずさんな計画
姜の供述調書によれば、当初の依頼は“遺体の運搬”のみだったという。
「24年4月上旬に綾拳くんから『人を運んでほしい』と言われました。その後また綾拳くんから連絡があり『もしかしたら生きてるかもしれない、そっちもやってほしい』と言われました」(姜の調書より)
“そっち”……殺害も請け負うことで、報酬は実行役ひとりあたり200万円から、250万円に増額。こちらも合わせて姜ら2名が実行することが決まったものの、計画はずさんだった。関根被告と共に現場の下見を行った佐々木被告を介して「上野の路上で被害者夫妻の殺害を実行するよう指示された」(検察側冒頭陳述より)平山被告は、姜・若山被告らとともに2日連続で上野に集合したが、人通りが多く断念。佐々木被告に対し「完全な密室」の準備が必要だと伝えた。ここから、関根と親交があり、夫妻とも不動産仲介を通じて関係のあった前田亮(36=逮捕当時)が暗躍する。
睡眠導入剤で眠らせた後…
24年4月15日夜。前田は「五反田の物件紹介」を口実に宝島夫妻と上野で合流。レンタカーのステップワゴンに乗せた。夫妻のためにコンビニのアイスコーヒーを準備していたが、これは移動時に息抜きをしてもらうためのものではなかった。殺害するために睡眠導入剤を混ぜてあったのだ。このアイスコーヒーを飲んだ夫妻は、空き物件に到着する頃には抗拒不能の状態となっていた。
物件に到着後、ガレージ内に車を停めて前田が立ち去ると、平山被告所有のプリウスに乗った実行役の2人が到着しガレージ内へ。プリウスはこの直前に同区内のコンビニで待ち合わせた平山被告から貸し与えられていたもので、車内には平山被告があらかじめ埼玉県内のホームセンターで買い揃えたガソリンや着火剤、ロープ代わりの延長コード、ガムテープ、結束バンドが積んであった。
日付が変わった4月16日の未明、ステップワゴンの車内で殺害が実行される。姜は、まず眠っている龍太郎さんの後ろに回り込んで延長コードで首を絞めて殺害したのち、遺体を車内から引きずり下ろす。その後、幸子さんに対しても同様の方法を採ったが、途中で声をあげられたことから「急いで女性を車から引きずり下ろし、プリウスに乗せられていたハンマーを使って、女性の頭部を数回殴りました」(姜の調書より)という。姜はこのように詳細に調書で語っているが、一方で、もう一人の実行役・若山の調書は本公判の証拠として採用されておらず、殺害にどれほど関与したのかは現時点で不明である。
【後編】では、殺害によって実行犯たちが得た衝撃の報酬額と、佐々木、平山両被告が法廷で述べた“驚きの弁明”について詳述する。
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